研究課題/領域番号 |
19K01957
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
伴 正隆 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (50507754)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ベイジアンモデリング / 観光 / マーケティング / 顧客生涯価値 |
研究実績の概要 |
本年度は、あるクラウドファンディングサイトにおけるプロジェクトごとの資金調達額データとプロジェクト紹介サイト上の情報を用いた実証分析により、プロジェクト掲載基準の変更に伴う出資者行動の変化を明らかにし、クラウドファンディング運営企業の経営判断に資する知見を得た。また、クラウドファンディングプロジェクトの資金調達額日次累積データを用い、資金調達額累積パターンの分類、さらには調達額の段階ごとに出資者行動がどのように変化するかについて実証分析によって明らかにする研究を実施している。 また、ドラッグストア店舗のID付きPOS(Point of sales)データから、店舗取り扱い商品の顧客生涯価値に対する寄与をStock Keeping Unit (SKU)単位で評価するモデルの開発を行った。モデルは顧客生涯価値を推定するモデルと購買トピックモデルから構成され、ベイジアンモデリングによる実証分析を行った。顧客生涯価値モデルは店舗のRFM(Recency, Frequency, Monetary)データに適用する構成になっており、購買トピックモデルはある期間における顧客ごとのSKU単位での商品購入数CGM(Customer Goods Matrix)になる。これら2種のデータはID付きPOSデータから抽出されるものであり、顧客の購買履歴データに2種のモデルを適用し、それぞれの分析結果を統合するのが特徴である。2つのモデルはベイジアンモデリングによって1度のMCMC(Markov chain Monte Carlo)によって同時推定される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
観光マーケティングに関する研究としては、観光地へのリピート訪問要因など顧客の長期的な価値に関連するであろう要因について先行研究を精査するとともに、茨城県内でDMOに関連する実務家へのインタビューを実施し、顧客関係性管理に関連する施策の実施状況について、さらにはDMOが実施した施策の効果指標について聞き取りを行った。
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今後の研究の推進方策 |
まずは上記、ドラッグストア店舗のID付きPOSデータから、店舗取り扱い商品の顧客生涯価値に対する寄与をStock Keeping Unit (SKU)単位で評価するモデルの開発を継続する。このモデルは、顧客を観光客、店舗取り扱い商品をある地域の観光資源に置き換えると、本課題に直接適用できるモデルになることが分かる。一方で、小売店舗における顧客生涯価値評価と、観光地への訪問者の生涯価値評価(あるいは長期的な顧客評価)は構造が異なると考えられるので、モデル構築とそのための調査紙調査の細部を再検討する。またこれとは別に、観光地への訪問動機と顧客分類、さらには観光地域間競争構造を同時に分析する分析方法の検討も行う予定であり、このような分析結果で得た知見をもとに本課題のブラッシュアップを図りながら計画を実行する。
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