研究課題/領域番号 |
19K01957
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
伴 正隆 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (50507754)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アンケート調査 / 欠測データ解析 / ベイジアンモデリング |
研究実績の概要 |
本年度の研究実績の概要として、クラウドファンディングサイトにおけるプロジェクトごとの資金調達額データとプロジェクト紹介サイト上の情報を用いた実証分析を行い、プロジェクト掲載基準の変更に伴う出資者行動の変化など、クラウドファンディング運営企業の経営判断に資する知見を得た。また、ID付きPOSデータを用いた消費者の購買生起と購買数量のハードルモデルによるモデル化に取り組み、ベイズ統計学を用いた欠測データ解析の最近の研究動向についてまとめた。 2020年度はその前年度の成果からアンケート調査を実施する予定であったが、コロナ禍により人流が制限される環境となってしまい、過去の観光に関するアンケート調査は可能だが、将来の観光行動に関する調査を行うには不適切な状況となってしまった。調査は2021年度に持ち越し、2020年度はアンケート調査やベイジアンモデリングにおいて必要になると考えられるテーマについて、研究を進めた。 アンケート調査の実施においては、質問量と回答の質には反比例の関係があると考えられる。回答者には時間や労力の負担を減らしたいという動機があるため、多くの質問への回答を求めれば、それだけ回答の質が落ちることになり、不適切回答や欠測が増えることになる。欠測データの解析はベイズ統計学との親和性が高く、したがって本研究で想定しているベイズモデルとの相性も良いと考えられる。 またクラウドファンディングの研究では、まちづくりや地域活性化をテーマとするプロジェクトの成功パターン(成功要因の組み合わせ)も明らかになっており、本課題に遠からず関係する成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響を受けアンケート調査を見送ったが、調査後に予定していたモデリングに関する研究を繰り上げて実施することで、モデルに整合的な調査票の構成が可能となったこともあり、総合すると順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
欠測データ解析やベイジアンモデリングについて得た新しい知識・知見を基に、アンケート調査の調査票を構成し、調査を実施し、研究を進める。まだ実績にはなっていないが、2020年度は観光地選択行動に関する研究も進めており、そこで得た知見も大いに活用できると考えている。また、小売店のID付きPOSデータから顧客生涯価値を推定し、購買商品に按分して商品評価として用いる研究も並行して進めており、本研究に援用可能なモデリングとなっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響を受け、2020年度に予定していたアンケート調査を見送ったために生じた。2021年度にアンケート調査を実施する予定である。
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