研究実績の概要 |
この研究は,日本,米国,欧州(英国等),アジア(中国,韓国等)における自動車流通径路(自動車メーカーから自動車ディーラーを経てエンドユーザーへと自動車製品がが流通していく径路)の国際比較をおこなうことであった。 2023年は国際比較をおこなう国としてまずベトナムを選び,3月にハノイとハイフォンでトヨタ自動車のディーラーを取材調査した。また7月には韓国のソウルを訪問し,現代自動車の販売店や韓国電装,韓国トヨタ自動車で取材調査をおこなった。後者の韓国では現代自動車の販売店630店の内,自動車メーカーの直営店が330店,地場の代理店が300店と,数年前と比較するとやや代理店が増えていた。これは韓国の特徴であり,他の国では殆どみられない特質である。 自動車流通径路研究と関連する課題として,太平洋の島嶼国における放置車両問題についても研究を進めた。2023年3月にパプアニューギニアとソロモン諸島を現地調査し,当該国における自動車リサイクルの現状と課題を整理した。この現地調査の成果は,2023年5月の産業学会全国大会(於西南学院大学)で報告(「ガダルカナルにおける放置車両」)された。さらに2023年7月にはミクロネシア連邦(ポンペイとチューク),2023年11月にはマーシャル諸島(マジュロ)で現地調査をおこない,太平洋島嶼国の放置車両問題の実態解明を進めた。これらの現地調査の成果は,研究紀要(「車両放置問題に関する太平洋島嶼国間の類型比較」『同志社商学』第75巻第6号, 2024年3月)で上梓されている。 日本国内でも,豊田通商やトヨタ自動車で取材調査をおこなった。
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