研究課題/領域番号 |
19K01975
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
櫻井 靖久 阪南大学, 経済学部, 准教授 (50445003)
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研究分担者 |
佐藤 彰彦 大阪産業大学, 経営学部, 教授 (10434789)
藤原 直樹 追手門学院大学, 地域創造学部, 准教授 (10806467)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中小企業 / 海外進出 / バリューチェーン / アンケート調査 |
研究実績の概要 |
本研究では、中小企業の海外展開における立地戦略と地元自治体の支援のあり方について実態を把握する研究である。そのため、2019年度は2つの研究方法を行うこととした。 第一に、アンケート調査である。ここでは、関西に本社を持つ中小製造企業に対して、海外進出の理由と国、仕入と販売の取引先の立地場所と変化、利用した政府や自治体の支援について調査した。調査は、帝国データバンクの調査によって判明した海外に事業所を持つ、関西に本社を構える中小製造企業である1,578社に対して行った。2020年3月末までに320件の回答が寄せられ、回収率は20.3%であった。なお、アンケート調査の結果は、2020年度に公表予定である。 第二に、ベトナムのハノイおよびその周辺地域への現地調査を企図した。たとえば、ベトナムでの日本企業の事業活動の現状や日本政府や自治体の支援体制、支援ニーズについて、在ベトナム日本大使館、埼玉県ベトナムデスク、JETRO(日本貿易振興機構)、JICA(国際協力機構)から話しを伺う予定で訪問の調整を行った。また、ベトナム側のニーズや外国企業の事業環境を調査する目的でベトナム投資庁に訪問し、実際にハノイ市タンロン工業団地、ハイフォン市チャンズエ工業団地に現地法人を構える日本企業へのヒアリング調査の約束を取り付けていた。 ただし、調査を予定していた期間は2020年3月2~6日であったため、コロナウィルスの感染が世界的に拡大しつつある時期で、2月24日にはベトナムの入国管理強化、2月25日には日本のイベント自粛要請を背景に、各大学からも出張の自粛要請がでるなどしたため、ベトナムへの出張による現地調査は2月27日に急遽中止とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
アンケート調査に利用しようと想定していた経済センサスの名簿を利用することが、自治体の協力を得られなかったために、帝国データーバンクより海外拠点をもつ関西の中小製造業の名簿を購入することになった。見積もりの依頼から契約の締結、学内決済、データの納品まで3ヶ月程度要した。そのため、アンケート調査の実施日程が2月となり当初の予定より遅れた。 ヒアリング調査でも、2020年3月2~6日に予定していたベトナム・ハノイの現地調査を、2月27日に急遽中止とした。理由は、コロナウィルスの感染が拡大したためである。ベトナムでは2月24日に入国者の管理強化が始まり、入国できなくなる恐れが発生した。さらに、日本においても全国イベントの自粛、大学からの出張の自粛要請など、海外渡航に対するリスクが高くなっていた。 3月に入ると、出張や出校の自粛など各大学の方針が相次いで定められ、その結果研究室が利用できなくなり、アンケート調査の分析もすすめることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
予定では、2020年9月にベトナムのホーチミンとダナン、2021年3月にシンガポールへの現地調査を予定していたが、2020年3月のベトナムのハノイでの現地調査が中止となったため、2020年9月に中止としたベトナムのハノイ、2021年3月にホーチミン及びダナンへの現地調査を予定している。ハノイの調査については、3月に訪問する予定であった調査先に調整をお願いすることにしている。ホーチミンやダナンについては、アンケート調査の回答企業に対して依頼を行う予定である。 しかし、コロナウィルスの感染拡大が収まっていない状況であることから、現地調査については状況を見ながら遂行する予定としているため、さらなる延期も想定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月2~6日にベトナム・ハノイで行う予定であった現地調査が、コロナウィルスの感染拡大による入国管理の強化を受けて中止したため、支出予定であった旅費を使用しなかったために生じた。今年度においては、2019年度に行う予定であったハノイの調査を9月頃に行うことで2019年度予算を支出し、2021年3月に改めて2020年度の予定であったベトナム・ホーチミンやシンガポールの調査を行い予算を支出する予定である。
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