税効果会計の注記情報を分析し、貸借対照表上の金額でも注記上の金額でも、繰延税金資産が繰延税金負債を上回っていることが明らかになった。さらに、税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産については、そのほとんどを回収不能と判断しており、また1年以内に繰越期限が到来するものについても同様に判断していることから、繰越欠損金の期限内の有効活用が疑問視される。その他、税金情報から企業のタックス・プランニングの実態を明らかにするために先行研究を包括的に整理し、会計と税金の関係に関する情報が企業の税負担削減行動の何を映し出しているのかを識別することの重要性を指摘した。
|