| 研究課題/領域番号 |
19K01993
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| 研究機関 | 青山学院大学 |
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研究代表者 |
菅本 栄造 青山学院大学, 経営学部, 教授 (40297073)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 実行予算 / 工事原価管理 / 日次損益管理 / オープンブック・マネジメント / 戦略管理会計 / 中小・小規模建設会社 |
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| 研究実績の概要 |
建設業の事業特性を踏まえた有用な管理会計システムを明らかにするための研究の一里塚として位置づける本研究では、優れた工事実行予算管理システムを構築・運用している全国の中小・零細の総合建設会社を選定し、情報技術を用いた工事実行予算管理システムをどのように運用すれば実行予算による原価管理を成功裏に行えるのかを探ることを目的としている。
本研究の目的を実現するため、研究実施第二年度である本年度においては、前年度の研究進捗を受け、主に次の3つの研究を実施した。
第一に、工程管理と連動して日次損益管理を実施している先進的な土木工事会社の実行予算管理システムの構築と運用方法を論理化するための下準備として、前年度より着手してきた中小・小規模土木一式工事会社（岡山県・大分県など）へのインタビュー調査を継続実施し、その研究成果を論文として公表した。
第二に、Ｊコスト論による建築生産の収益性および資金回収の問題を解明するための下準備として、Jコスト論の基礎研究を実施し、その成果を研究ノートとして公表した。
第三に、既に了承を得ている建築一式工事株式会社（大阪府）の研究協力に基づき丹念なインタビュー調査を実施し、オープンブック・マネジメント（Open-book Management）の観点から同社の優れたマネジメント・モデルを理論化し、当該研究の成果を論文「建設会社におけるオープンブック・マネジメントの事例研究」『會計』森山書店（掲載決定）として提出した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた経営事項審査や発注者評価点の存在が建設業経営に及ぼす負の側面については現在に至るまで調査することができていないものの、その点を除けば、当初の計画どおりに進捗している。さらに、現在取り組んでいる研究課題の延長線上にあり、そして当初は予定していなかった大規模かつ複雑な組織における業績管理会計問題、具体的には建設業におけるバランス・スコアカード（Balanced Scorecard）構築およびオープンブック・マネジメントのモデルケースに関する予備的なインタビュー調査を丹念に実施できたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
第一に、日次損益管理を実施している土木工事会社のインタビュー調査を進展させて、日次レベルでの会計情報の有用性について理論化（概念化）を行う。第二に、建設業固有のオープンブック・マネジメントやその他のマネジメント・コントロール・システム（BSCなど）についてインタビュー調査を継続実施する。これにより、工事実行予算管理システムを超えてマネジメント・コントロール・システムや業績管理会計システムについての研究論点を検討し、次回提出予定の新たな研究課題との継続性を担保する。第三に、工事実行予算管理システムの基礎を形成する工程管理と資金管理の側面も充実させるため、Jコスト論に基づく工事収益性の分析に関する研究を実施する。かかる研究成果を学会や実務セミナーなどで報告し、建設的な意見を聴取するとともに、研究成果を社会に還元する計画である。そのため、多くの旅費の発生を予定している。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大をめぐる諸問題によって、本研究活動の大半を占める対面によるインタビュー調査や研究成果の発表を実施することができず、旅費等が発生しなかったことによる。最終年度である次年度においては、感染対策を入念に行って、対面によるインタビュー調査と研究成果の公表を積極的に実施し、これまで積み残した研究費を使用する計画である。
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| 備考 |
青山学院大学研究者情報ホームページ
https://raweb1.jm.aoyama.ac.jp/aguhp/KgApp?kyoinId=ymibgmosggy
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