| 研究課題/領域番号 |
19K01995
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| 研究機関 | 専修大学 |
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研究代表者 |
西居 豪 専修大学, 商学部, 教授 (30439517)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 業績評価 / BSC / 因果連鎖情報 / 評価バイアス / 意思決定 / マネジメント・コントロール / イネーブリング・コントロール / コントロール・パッケージ |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、業績評価指標間の因果関係の構造的特性から規定される複雑さが、戦略的業績評価システムにおける組織成員の評価判断や意思決定にどんな影響を及ぼすのか解明することを目的としている。４年間の研究期間の３年目にあたる2021年度には、関連文献のサーベイの取りまとめを行うとともに、質問票郵送調査にて収集済みであったデータを用いて、マネジメント・コントロール概念に関する構造的関係性に関する実証的検証を行った。
まず、BSCを中心とする指標間の因果連鎖に関する情報提供が評価バイアスに及ぼす影響について検証した実験室実験による先行研究の文献サーベイを行った。この成果は研究ノートとして公表した。また、当該分野の研究は、意思決定の質への影響という点でも蓄積が見受けられるので、それらの文献サーベイも取りまとめている最中である。なお、当該知見の実践的含意を実務家に紹介するため、『実務に活かす 管理会計のエビデンス』の６章を執筆した。
次に、業績評価が重要な手段となるマネジメント・コントロールについて、飲食店業を対象とした実態調査のデータを用いて、全体的な調査結果の報告を『会計学研究所報』にて行った。さらに、この調査で得られたデータの一部を用いて、コントロール・パッケージの有効性、そしてイネーブリング・コントロールの構築と効果に関する実証的検討を行った。特に、後者については、指標間の因果性の曖昧さという点で深く当該研究目的と関連したものとなっている。いずれの研究も査読誌に投稿し、後者の研究は『メルコ管理会計研究』にて公表された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度から延期していた質問票郵送調査は、今年度も十分な回収率が見込めるとは判断できず、実施の延期を決定した。また、オンライン実験環境構築のためのプログラミング作業の一部に問題が生じてしまったことにより、実験調査の予定がずれ込んでいる。一方で、感染症の状況に伴う研究の停滞を回避すべく、過去に取得していた実態調査データを用いた研究を推進させた。研究資源の一部をこれらの研究に振り分けているが、論文公表に至るなど一定の成果を得られている。 以上のことから、現在までの研究の進捗状況はやや遅れていると認識している。
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度の前半に、因果連鎖情報提供による意思決定への影響については文献サーベイの結果を取りまとめるともに、実験に関するマテリアルや手順の開発を進める。後半には、実験調査を行い、データを取得後、論文として取りまとめる予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた質問票郵送調査の実施の延期と予定していた出張のいくつかがキャンセルになり、これらの費用支出がなくなったために、次年度使用額が生じることになった。ただし、代替的な調査分析に研究資源を振り分けていることもあり、次年度使用額はそれら延期やキャンセルで想定していた金額よりも少なく済んでいる。次年度では調査の内容の変更も加味しながら、効率的な研究費の使用を予定している。
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