研究課題/領域番号 |
19K01999
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山内 暁 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (10386542)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 企業結合 / M&A / 全部暖簾 / 全部負の暖簾発生益 |
研究実績の概要 |
2021年度には、2019年度に収集し、2020年度に抽出を行った米国企業の企業結合データにもとづき、分析のフレームワークに係る検討を行った。これは、本研究課題において示している「山内(2015)および山内(2016)における分析のフレームワークの再構築」に該当する。山内(2015)は、日本におけるIFRS任意適用企業の企業結合において全部暖簾がみられる事例を整理・分析したものであり、また、山内(2016)は、日本における米国会計基準適用企業にみられる全部負の暖簾発生益の事例を整理・分析したものである。 本研究課題が目的とする分析(米国企業における全部暖簾と全部負の暖簾発生益に係る構成要素の解明)を行う場合、各企業結合に係る詳細な関連データについて、各企業の年次報告書の注記から手収集する必要がある。山内(2015)・山内(2016)は日本企業を対象としていたため、そこで収集した日本企業の年次報告書の注記における開示情報と米国企業の年次報告書の注記における開示情報とを比較するため、各年度の企業結合からサンプリングを行い、実際の開示情報の確認も行った。 *山内暁.2015「全部暖簾の構成要素に係る分析-IFRS任意適用企業における全部暖簾の事例を中心に」ディスクロージャーニュース(宝印刷株式会社 総合ディスクロージャー&IR研究所)(30). *山内暁.2016「負の暖簾発生益の実態に係る分析―日本における米国会計基準適用企業にみられる事例を中心に」ディスクロージャーニュース(宝印刷株式会社 ディスクロージャー&IR総合研究所)(34).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は、各企業結合に係る詳細な関連データの収集とデータ入力を行い、個々の「全部暖簾」および「全部負の暖簾発生益」に係る具体的な分析に着手する予定であった。当該関連データの収集とデータ入力は手収集となるため、適切な研究補助者の雇用が必要であった。しかし、新型コロナの影響により、2020年度と同様に、適切な研究補助者を雇用することができなかった。そのため、本研究課題の進捗状況は、「遅れている」状況である。
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今後の研究の推進方策 |
適切な研究補助者を雇用できるように努める。仮に雇用できなかった場合には、現在までに抽出している企業結合を、一定の判断基準により、さらに絞り込み、研究補助者ナシに関連情報を手収集することにより、分析を行うことを試みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナの影響により、適切な研究補助者を雇用できなかったからである。今後、当該使用額は、研究補助者の雇用とその関連費用(研究補助者がデータ保存をするためのデバイス等)に用いる予定である。また、企業結合データをアップデートするため、そのデータベース契約に用いる予定である。
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