研究実績の概要 |
本研究課題は、わが国企業における、業績管理システムとリスクマネジメントの実態把握を基礎として、業績管理システムとリスクマネジメントとの関連性、連携させるメカニズムや条件について検討することを目的とした。 本研究課題でこれまで実施した研究の成果としては、以下のものが挙げられる。第一に、業績指標の設定が、どのような要因に影響を与えるかについて検討した。その成果として、論文を『原価計算研究』にて公刊し、2020年に日本原価計算研究学会にて学会賞(論文賞)を受賞した。第二に、管理会計においてリスクマネジメントを議論した文献を整理した論文を執筆し、『同志社商学』にて公刊した。第三に、リスクマネジメントに関連して、未曽有の危機であった新型コロナウイルス(COVID-19)が企業経営に与えた影響について調査を行った。その成果の一部は、関智宏編著・同志社大学中小企業マネジメントセンター編『新型コロナウイルス感染症と中小企業』(同文館)、に所収されている。第四に、組織間における業績管理についても研究を進め、その成果の一部は論文として、Journal of Management Accounting Researchに掲載された。 最終年度である2024年度においては、まず業績管理の基礎となるわが国マネジメント・コントロールの研究を整理し、検討した。その成果の一部は、Yokota, E.. ed., 『Frontiers of Japanese Management Control Systems: Theoretical Idaas and Empirical Evidence』(Springer Nature Singapore Pte Ltd.)にて公刊した。また、リスクマネジメントが業績管理に与える影響に関する論文を会計学領域の国際学術雑誌へ投稿し、現在査読中である。
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