研究課題/領域番号 |
19K02029
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
大西 靖 関西大学, 会計研究科, 教授 (80412120)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 持続可能性指標 / 持続可能性報告 |
研究実績の概要 |
2023年度の研究成果は次の2つである。第1に、持続可能性指標に関する報告ガイドラインの開発動向に関する調査を継続して行い、前年度の学会発表における内容をさらに加筆修正して、書籍の分担執筆論文として発表した。持続可能性に関する報告ガイドラインは、これまでのGRI報告基準、SASB、統合報告フレームワーク、TCFD勧告などの多岐にわたるガイドラインから、主に投資家を重視するIFRSサステナビリティ開示基準と、多様なステイクホルダーを重視する欧州持続可能性報告基準(ESRS)に収斂しつつあると考えられる。これらの動向について、前年度の学会発表論文をもとに、IFRSサステナビリティ開示基準の正式発行などの基準改定に伴う内容修正を行って、書籍の分担執筆論文として発表した。 第2に、近年の持続可能性方向ガイドラインが依拠するステイクホルダー概念について紀要論文として発表した。GRI報告基準とESRSという2つのガイドラインでは、投資家だけではなく、多様なステイクホルダーに対する影響に関連する報告が重視される。そこで、これら2つのガイドラインで言及されるステイクホルダーという用語が理論的にどのように位置づけられるのかについて、ステイクホルダー理論とCSR理論という2つの理論をもとに検討した。その結果として、これらのガイドラインで言及されるステイクホルダーの定義は、2つの理論的背景が並列的に引用されているおり、必ずしもこれら2つの理論を統合しているとはいえないことが明らかにされた。この研究結果は紀要論文として発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスに起因して、本研究課題が全体としてやや遅れていると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
持続可能性指標の理論および実務動向に関する研究を継続するとともに、経験的な研究を実施する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス問題に起因して研究の進捗が遅れている。次年度には、遅れている研究をさらに推進する予定である。
|