研究課題/領域番号 |
19K02030
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
浦崎 直浩 近畿大学, 経営学部, 教授 (60203600)
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研究分担者 |
金 鐘勲 専修大学, 商学部, 講師 (10801566)
Zhu KaiWen 沖縄大学, 経法商学部, 講師 (10824162)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 対訳コーパス / 日韓中英会計用語 / 会計用語データベース / 東アジア圏の会計文化の比較理解 / 会計コミュニ ケーションの促進 / 日韓中3カ国におけるビジネス会計の相互理解 / translation corpus / accounting terminology |
研究実績の概要 |
本研究は、対訳コーパスの開発に向けて、韓国・中国における会計及び監査の専門用語を収集し、それらの日本語及び英語による用語と併せて対訳式の日韓中英会計用語データベースを構築することを目的としている。日本・韓国・中国における基準書・公表文書は、各国の言語(原語)が公式の用語であり、各国の研究者が他国の文献を読むことに限界があった。 本研究はそのような現状を改善することを課題に、韓国啓明大学校と中国中山大学の研究者とネットワークを築き、2019年度の研究開始前に収集を終えた財務会計用語(3488語)について対訳の妥当性・合理性の検証に着手していた。科学研究費補助金により、韓国・中国の会計監査文献の収集、各国用語の対訳の検証のための研究会が可能となり、データベース構築の研究が格段に進展することになる。研究成果は、四言語対訳コーパスの将来的な開発の基礎となるものであり、研究者を目指す学生、大学研究者、現地駐在の実務家、会計専門職等の利用が期待され、東アジア諸国間の企業会計に関する学術研究と交流の促進に寄与するものである。 初年度の2019年度には3488語の会計用語を2329語まで削減してデータベースの改訂作業を行った。第2年度の2020年度には新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延の状況で対面の研究会を開催することができず、Zoomによる研究会を5月30日から11月2日までに計26回開催し、2021年3月12日から14日にかけて第27回の対面の研究会を開催した。それらの研究会では2329語の会計用語について、まず中国語の対訳の妥当性を検証し、次いで韓国語の未訳部分の対訳を行い対訳の妥当性の検証を行った。2021年3月末で当該データベースの会計用語は2091語となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の着手までに研究代表者が収集したビジネス会計用語は3488語であった。そのうち日本語・英語・中国語の三カ国語対訳を完了させていたものが3488語で、日本語・韓国語・中国語・英語の四カ国語対訳を済ませていたものが2870語であった。その差の618語については韓国語の対訳が未了であった。2019年度の6回の研究会を通じてすべての用語について、データベースに残すべき用語であるかどうかの要否の検討を行い、2020年3月末で2329語まで用語を厳選し、1159語については一般ビジネス用語である等の理由で削除した。 また、当初の3488語については、中国語への翻訳の作業とその適否について研究協力者である中国広州市の中山大学・路暁燕副教授に確認を依頼し、日本語・中国語・英語の会計用語の第1次ネイティブチェックを完了している。さらに、韓国語の対訳を済ませた2870語については、韓国語への訳語の適否について研究協力者である韓国大邱市の啓明大学・都相昊教授に確認を依頼し、日本語・韓国語・英語の会計用語の第1次ネイティブチェックを完了している。なお、2019年度の研究において韓国語への翻訳が未了の用語数は487語である。 第2年度の2020年度には、まず2329語について、中国語対訳の妥当性について26回のZoom研究会で再度の検証を行った。次に、韓国語への翻訳が未了であった487語について韓国語対訳を行い、その妥当性について2021年3月の研究会で検証を行った。COVID-19の影響で予定していた韓国の都教授と中国の路副教授による妥当性の検証を行うことができなかったので、これについては2021年度の最終年度に実施したい。最終年度の2021年度の研究対象となる会計用語は2091語となった。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の2021年度においては、COVID-19の影響が継続することが確実であるので、2021年8月まではZoomによる研究会を継続して会計用語の4カ国語対訳の妥当性の検証を行うことにする。8月末までに「4カ国語対訳ビジネス会計用語辞典」の出版のための会計用語を確定し、9月には韓国大邱市の啓明大学・都相昊教授及び中国広州市の中山大学・路暁燕副教授に対訳会計用語の妥当性について最終のネイティブチェックを依頼する。2021年11月以降に韓国及び中国の現地への渡航が可能になれば、2022年3月上旬までに現地で研究会を行いたい。それができない場合には、Zoomでの研究会を実施して、「4カ国語対訳ビジネス会計用語辞典」の出版のための最終の会計用語データベースを完成させたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で対面の研究会に係る旅費及び謝礼の未使用等が生じ、その結果として、研究代表者・浦崎直浩に238,720円、研究分担者・Zhu Kaiwenに40,439円、合計279,159円の未使用繰越額が生じた。当該金額については、2021年度の予定額1,170,000円(直接経費900,000円+間接経費270,000)のうち直接経費とあわせて、物品費及び旅費の金額に使用する予定である。
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