研究課題/領域番号 |
19K02035
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
泉 貴子 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00790354)
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研究分担者 |
ショウ ラジブ 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 教授 (30378848)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | NPO / 東日本大震災 / 熊本豪雨 / ボランティア / まちづくり |
研究実績の概要 |
本年度は特に東北地方におけるNPOのヒアリングと、熊本県で2020年7月に発生した豪雨における住民の対応に関するアンケート調査を行った。新型コロナウィルスの影響で、ヒアリング、フィールド調査、ワークショップなどの予定していた活動が中止・延期となるなど、計画どおりに実施できない面も多かった。 東北地方のヒアリングについては、気仙沼の「プロジェクトK」と「気仙沼まちづくり支援センター」を対象に実施した。それぞれの団体にとって、支援・活動を継続することが非常に大きな課題となっていることが分かった。また、健康・保健・ヘルス関連の支援継続の必要性、まちづくりへの長期参画など、NPOならではの活動が継続されていることも把握できた。さらに、こうした活動を継続し、拡大するためにはどのような支援の枠組みや体制が必要かなど、今後さらに調査を深めたいと考えている。 また、熊本の豪雨災害におけるアンケート調査では、被災地の住民の方々に、現在の新型コロナ感染の状況の中で、避難・対応・復興の過程でどのような問題があり、ボランティアやNPOにどのような支援を受けたかなどを調査する目的で行った。現在、その整理と分析を行っており、アンケート調査の結果をもとに論文執筆に取り掛かる予定である。さらに、今後の南海トラフなどの備えを考慮し、高知県土佐町におけるNPOのコミュニティ防災活動への参加や自治体とNPOとの連携について、ヒアリング調査を行った。現状では、インフラ関連の整備に多くの予算が充てられている。しかしながら、土佐町が内閣府が主導するSDGs未来都市に指定されていることから、コミュニティネットワークや支援にも、社会協議会等を通じて積極的な活動が期待されており、NPOとも連携して、その一環としてコミュニティ防災の強化も予定されているとのことであった。今後はSDGs実現の側面からもNPOの役割に着目する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では、東北地方に加え、再度、熊本や岡山でのフィールド・聞き取り調査などを実施する予定であったが、新型コロナ感染の影響で現地訪問が難しく、また、熊本などは7月に豪雨災害が発生したことなどから、その対応や復興活動に現地のNPOや自治体が追われていたことなどから、調査を見合わせた。現地訪問が可能となり次第、再度、現地調査を再開させたいと考えている。これまでの聞き取り・現地調査により、NPOの活動評価を行上で柱とする指標を1)コーディネーション、2)避難所運営・ボランティア管理、3)NPOと自治体のパートナーシップにおいて分析することとした。それぞれの指標の元で、どのような課題があり、どのような対処方法がうまくいったのかなど、整理して総合的評価を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
この研究の主な対象地域である東北地方、岡山県、熊本県のNPOを対象に、これまでの災害後の対応・復興・ボランティア活動などについて、総合的なアンケート調査を実施する予定である。そのため、対象とするNPOの洗い出し、質問票作成、アンケート実施を夏ごろまでに終了し、その後、アンケート調査の結果とこれまでに実施したヒアリング調査を基に、まとめの論文執筆を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染の流行のため、予定していた現地調査や学会参加・発表が延期または中止となり、その経費として充てていた旅費等に余剰が発生した。今年度も、どの程度、現地調査などが可能となるか不透明なため、郵送でのアンケート調査などに切り替えることを視野にいれている。
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