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2023 年度 実施状況報告書

日本と南太平洋を結ぶ南アジア系ディアスポラの社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K02038
研究機関千葉大学

研究代表者

福田 友子  千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (40584850)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード社会学 / 移民研究 / 中古車 / 中古部品 / 南アジア / パキスタン / アフガニスタン / スリランカ
研究実績の概要

5年目(2024年度)は、海外での学会発表・現地調査を2件実施した。またオンラインでの国際学会発表が1件、海外開催の国内学会発表(共同研究者が登壇)が1件あった。その他に国内で研究集会、オンラインワークショップ、シンポジウムでの講演を計3件実施した。また国内現地調査を多数実施したほか、オンラインや対面の学会、研究会、シンポジウムに参加した。
2024年度に取り組んだテーマは以下の通りである。第1に、オーストラリアのメルボルンで開催された国際学会に対面参加し、研究報告をした。併せて現地調査を行った。ニュージーランドのオークランドと同じ、南太平洋の大都市という位置づけで予備的調査を行ったものであったが、在豪ムスリム・コミュニティの宗教実践やハラール食品産業の一部を観察した結果、両者の相違点が複数確認された。第2に、トルコのイスタンブールで開催された国際学会に対面参加し、研究報告をした。併せて現地調査を行った。国内調査の協力者とつながりのある難民的背景のある人々と出会う機会もあり、問題の構造を立体的に把握することができた。このテーマの調査は、外部機関の事業とも連動している。第3に、オンライン開催された国際学会に参加し、研究報告をした。在日ムスリムの宗教実践について、他の事例と比較検討するとともに、他の研究者と意見交換する機会を得た。第4に、国内における南・西南アジア系移民に関する調査である。千葉県内の調査地(千葉、山武、四街道、市川等)を複数回訪問した他、東京、埼玉、大阪で現地調査した。このテーマの調査は、本務校の共同研究組織の活動や教育実践、外部機関の受託研究とも連動している。またJICAとの研究協力も継続している。なお、外国につながる高校生のための就職支援という新たな課題設定を追加したところ、これまで見過ごしてきた問題が次々と確認され、今後の研究課題が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

国内の現地調査を多数実施できたこと、および海外現地調査をオーストラリアとトルコの2か国で実施できたことから、研究は順調に進展していると言える。また本務校の共同研究組織の活動に加えて、外部機関の受託研究も始まった。他の共同研究チームやJICAとの研究協力も継続しており、本研究課題の進捗も加速した。特にオーストラリアのメルボルンで予備的調査を実施できたことは重要な成果であった。在豪ムスリム・コミュニティの宗教実践やハラール食品産業の一部を観察した結果、ニュージーランドのオークランド調査とは異なる知見を得た。本格的な調査を実施するには、さらなる準備が必要だが、新たな研究課題へとつながるような事象が確認できた。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画では、1年目(2019年度)にニュージーランド現地調査、2年目(2020年度)に南太平洋のいずれかで現地調査、3年目に南アジアのいずれかで現地調査、4年目に追加調査と研究総括を予定していた。しかしながら、2年目に新型コロナウィルス感染拡大があり、以降、海外現地調査が実施できず、結果的に研究予定期間を延長したところである。5年目(2024年度)は、ようやく2年目に予定していた南太平洋(オーストラリア)での現地調査が実現できた。6年目(2025年度)は、南アジアのいずれかで現地調査を実施したいと考えている。また研究総括に向けて、論文執筆に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

本研究課題では、旅費が支出の大部分を占める計画だが、5年目(2023年度)は、海外出張は2件で、うち1件は他の予算からの支出だったため、残額が生じた。研究期間を6年目まで延長したので、次年度に繰越額を使用する。6年目(2024年度)も、海外出張を実施するので、その旅費に充てることを予定している。また、旅費以外の項目での支出、たとえば調査員の雇用や英文校閲といった謝金に充てることも計画している。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件) 図書 (1件) 備考 (5件)

  • [雑誌論文] 体験学習からアクションリサーチへ : 移民研究の教育実践2024

    • 著者名/発表者名
      佐々木綾子・小林聡子・福田友子
    • 雑誌名

      千葉大学国際教養学研究

      巻: 8 ページ: 177-190

    • DOI

      10.20776/S24326291-8-P177

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Agglomeration/Dispersion of Used Car and Used Auto Parts Trade Industries by South Asian Migrant Entrepreneurs in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Fukuda
    • 学会等名
      XX ISA World Congress of Sociology
    • 国際学会
  • [学会発表] Formation of a regional base and religious activities in Chiba Prefecture by Sri Lankan used car and used parts traders in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Fukuda
    • 学会等名
      The 5th EASSSR Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Used Car and Auto Parts Trading Industry by South Asian Migrant Entrepreneurs in Japan and the Combined Factors of the Increase of South Asian Migrants in Chiba Prefecture2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Fukuda
    • 学会等名
      International UNION of Anthropological and Ethnological Sciences (IUAES), Commission on Anthropology of the Middle East (CAME), “Identity, Separation, and Belonging”
    • 国際学会
  • [学会発表] 中古車輸出における日韓比較2023

    • 著者名/発表者名
      岡本勝規・浅妻裕・福田友子・寶島響子
    • 学会等名
      日本港湾経済学会第61回全国大会
  • [図書] 日本に暮らすムスリム2024

    • 著者名/発表者名
      嶺崎寛子編 分担執筆:福田友子(担当箇所pp.113-116)
    • 総ページ数
      284
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      978-4-7503-5716-4
  • [備考] 千葉大学大学院国際学術研究院・国際教養学部 教員一覧 福田友子

    • URL

      http://www.las.chiba-u.jp/teachers/post_28.html

  • [備考] Researchmap 福田友子

    • URL

      https://researchmap.jp/fukuda-t

  • [備考] 千葉大学「移民難民スタディーズ」研究体制 推進責任者・中核推進者

    • URL

      https://www.chiba-u.ac.jp/crsgc/csmr/organization.html

  • [備考] 千葉大学「グローバル関係融合研究センター」 研究員・スタッフ

    • URL

      https://www.chiba-u.ac.jp/crsgc/staff/index.html

  • [備考] こんな研究をして世界を変えよう 福田友子

    • URL

      https://www.sekaiwokaeyo.com/theme/l2630/

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公開日: 2024-12-25  

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