研究課題/領域番号 |
19K02047
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
後藤 悠里 福山市立大学, その他部局等(英語特任), 特任教員 (70750199)
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研究分担者 |
土屋 葉 愛知大学, 文学部, 教授 (60339538)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 障害女性 / 東アジア / 生きづらさ / 政策提言 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、障害女性の生きづらさを解消させる制度の効果を探索的に明らかにするとともに、日本の障害女性の生きづらさに対する解消方策を示すことである。そのために、障害女性の生きづらさに影響を与え、かつ日本でも導入される可能性のある制度を持つ韓国・香港において、障害女性への半構造化面接を行い、1. 障害女性の生きづらさの実態、2. 障害女性の生きづらさの解消に制度が与えた効果について明らかにする。その上で、3. 得られた結果を日本の障害女性の事例に当てはめ検討し、解消方策を示す。 香港・韓国に訪問する予定であったが、コロナウィルスの影響で、訪問することができなかった。そこで、2020年度は方針を一部変更し、障害者運動団体を研究の対象として、障害女性の生きづらさを解消するための方策を探ることとした。具体的には、過去に行ったインタビューを分析し、日本と韓国において、障害女性の生きづらさが解消された事例を取り上げ、解消に導いた思想的要因等について明らかにした。 日本については、障害者運動団体内において、「障害女性」がいることにより、ほかの障害女性は生きづらさを解消することができていた。「障害女性」は、障害女性の意見を尊重し、障害女性の相談にのり、既存の会議の慣習を乗り越えようとし、また、ジェンダー規範にとらわれていない存在であった。分析をもとに、「障害女性」が果たしている機能を仕組みとして形成していく必要性を指摘した。この点については、「障害者運動内における障害女性の経験する生きづらさとその要因」 というタイトルで報告を行っている。 その他、2020年は2019年度に引き続き、障害女性の生きづらさに関する先行研究の検討および日本の障害女性の生きづらさの事例の収集・検討を行った。その上で、香港および韓国の状況について、文献を幅広く入手し、整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウィルスの影響で海外に渡航できなかったこと、またオンライン授業の準備のため、研究に時間を割くことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は香港および韓国の障害者団体への調査、障害者個人に対する調査を行い、論文にまとめるとともに、政策提言を作成する。 なお、香港および韓国でのインタビュー調査を予定していたが、今後も渡航が難しいことが考えられる。また、個々人の生きづらさについて、オンラインでインタビューを行うことは、個人情報保護や情報セキュリティの観点から、難しいとも考えられる。そこで、今後は自由記述を中心としたアンケート調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの影響で海外に渡航できなかったこと、また、オンライン授業の準備のため、研究に時間を割くことができなかった。 2021年度に質問紙を用いた調査を行う。調査に関しては、質問紙のネイティブチェック、調査謝礼に助成金を使用する。それに加え、資料の購入、学会参加、論文のネイティブチェックなどに助成金を使用する。
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