主な研究成果としては、被差別部落出身であることを卑下することなく、肯定的なアイデンティティを形成する営みが連綿と続いており、その営みのもとで肯定的なアイデンティティ形成に至った被差別部落出身あるいはそこに居住する若者たちが存在することが確認できた。その要因として、家族・部落解放子ども会・学校などにおいて、部落差別の不当性を学ぶとともに、被差別部落出身であることを卑下する必要がないことを学ぶ機会が提供されていること、さらには青年部活動などの地域を越えた部落解放運動のネットワークにより、肯定的なアイデンティティ形成に至るプロセスを確認することができた。
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