本研究は、19世紀末から20世紀前半のシカゴ学派社会学が、どのように女性の行動や逸脱を通して社会問題を記述してきたのかを明らかにすること、また女性自身が社会を分析し、記述する研究の重要性を掘り起こすことを目的に、シカゴ大学社会学部が行った研究をジェンダーの視点から問い直すものである。また、シカゴ学派社会学の事例をとおして、現代日本における女性の仕事と葛藤を調査、分析した。これらの調査研究を通して、女性が社会学的調査の対象としてだけでなく、社会を記述、分析し、社会問題に対して能動的に活動してきたことが明らかになった。
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