研究課題/領域番号 |
19K02074
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
鍋倉 聰 滋賀大学, 経済学系, 教授 (50346011)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 社会学 / シンガポール / エスニシティ / 団地 / イスラム教徒 / 共住 / 多民族社会 / 多宗教社会 |
研究実績の概要 |
シンガポールは、華人・マレー人・インド人・その他が共に暮らす多人種社会であると同時に、人口の80%が団地に暮らす総団地化社会でもある。①総団地化社会を実現する過程で、マレー人をはじめとするイスラム系住民の総団地化がどのように実現され非イスラム系住民と共住経験を共有してきたのか。②総団地化社会という多人種共住環境の下で、イスラム系住民が様々なせめぎ合いに直面しながらどのように非イスラム系住民との共住を実現しているのか。本研究では、以上二点について細部にこだわって明らかにするために、現地資料の収集と現地調査を中心に研究を進めている。実際に対立が表面化していない社会について、具体的な事例をもとに、現状だけでなくそれが可能となるに至った歴史的過程を踏まえて、共住する仕組みを解明する。これによって、社会学研究・エスニシティ研究の発展に寄与するほか、共住をいかに実現するのかという現代社会における課題にこたえる一助とする。 以上二点のうち、①イスラム系住民の総団地化の過程については、現地資料の収集と整理・分析を中心に研究を進め、②共住の現況については、シンガポール団地での現地調査と調査結果の整理・分析をもとに研究を行っている。今年度はシンガポールへ渡航することができたが、コロナ禍の影響で、資料収集は行えたものの、行動が大きく制限され、現地調査はほとんど行えなかった。このため、資料収集のほかに、既に収集した資料及び調査結果の整理・分析と、シンガポールのイスラム教徒とマレー人に関する先行研究の収集・整理を中心に研究を進めた。とくに1960年代から1970年代にかけて、マレー人をはじめとするイスラム系住民が団地に居住するようになる総団地化の初期の過程について、資料の収集と整理・分析を重点的に行った。総団地化の最初期の過程については、論文を1本公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の柱となる現地調査について、2019年度はシンガポールで十分に行い順調に進めることができたが、2020年度から2021年度にかけて、新型コロナの影響でシンガポールへ渡航することができず、計画していた現地調査を行うことができなかった。2022年度にはシンガポールへ渡航することができたが、コロナ禍で行動が大きく制限され、現地調査を行うことがほとんどできなかった。 資料収集については、2019年度はシンガポールとアジア経済研究所で十分に行い順調に進めることができたが、2020年度から2021年度にかけて、新型コロナの影響でシンガポールへ渡航することができず、現地での資料収集を行うことができなかった。国内のコロナ状況も好転しない中、アジア経済研究所へも行くことができず、資料収集は専らインターネットで可能な範囲で行うしかなかった。ようやく2022年度に、シンガポールで資料収集を行うことができた。 以上から、現地調査と資料収集の進捗状況は、とくに現地調査について、遅れた状況となっている。 これに対して、既に収集した資料と現地調査結果の整理・分析と、シンガポールのイスラム教徒とマレー人に関する先行研究の収集・整理については、研究成果の公表に向けて、おおむね順調に研究を進めている。 以上から、研究全体としては「やや遅れている」状況にあると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はコロナに関する諸制限が撤廃されてシンガポールへ渡航できるので、可能な範囲で現地調査と現地での資料収集を行う。 このほかに、既に収集した資料と調査結果の整理・分析と先行研究の収集・整理を行い、それをもとにした研究成果の公表も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度から2021年度にかけて、コロナ禍の影響でシンガポールへ渡航することができず、現地調査及び現地での資料収集のための旅費をつかうことができず、また国内のコロナ状況も好転しない中、アジア経済研究所へ行くこともできなかった。このため2020年度と2021年度に未使用額が生じた。いわば2年分の未使用額を2022年度の1年間に使用することはできず、2023年度に繰り越すことになった。 今年度はコロナに関する諸制限が撤廃されてシンガポールへ渡航できるので、可能な範囲で現地調査及び現地での資料収集を行って、研究計画を遂行する。
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