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2020 年度 実施状況報告書

「小農の復権」に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K02084
研究機関専修大学

研究代表者

つる 理恵子  専修大学, 人間科学部, 教授 (20227474)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード小農の復権 / 農業の近代化 / 市民皆農 / 農の担い手 / 暮らしの思想
研究実績の概要

2020年度は、本研究の中間まとめ的アウトプットを行った。
①日本有機農業学会にて、2020年10月18日、オンライン(Zoom)による社会科学系テーマ研究会を開催した。私は研究活動委員会委員長で本研究会のアイディアの提案者として準備および当日の司会進行を担当した。テーマは「有機農業と現代の小農・家族農業の関係を問う」で、午前に基調講演2本(池上甲一(近畿大学名誉教授)「小農および家族農業をめぐる国際的潮流と日本の状況」、徳野貞雄(熊本大学名誉教授)「小農・家族農業と有機農業」)、午後からのミニセッションでは3人の討論者(相川陽一、伊藤亮司、関根佳恵)が問題提起を行った。
②①の内容を論文にまとめ、『有機農業研究』(日本有機農業学会の学会誌)に投稿した(「有機農業と現代の小農・家族農業の関係を問う――論点提示と研究課題」)。現在、査読結果をふまえて修正中である。
③2020年度有機農業学会大会(オンラインにて2020年12月5~6日)のテーマセッション「コロナ禍と有機農業」で事前録画にて報告し、当日5日は意見交換に参加した。後日、セッションのコーディネーターからの要請により、「『他の選択肢もある』という現実の把握とその提示から」というタイトルで小論(査読なし)にまとめた。『有機農業研究』(2021年6月刊行予定)に掲載予定。
④「全国合鴨水稲会」の今後の活動方針に関する議論に会の世話人の1人として参加すると共に、最後の『合鴨通信』に小論(「全国合鴨水稲会の存在意義」、2021年7月刊行予定)を投稿した。全国合鴨水稲会は、1991年の設立以来、農業基本法に基づく農業の近代化路線とは大きく異なる方向を目指し、実践してきた民間団体であるという点において、日本の農業史上に残る意義を持つことを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、①小農論の系譜研究、②世界的潮流とその中での日本の位置の重なりとズレの整理、③日本各地の「小農」の事例研究、以上3つの柱から成る。
そのうちの③がやや遅れ気味である。コロナの影響により、キーパーソンへの聞き取りが遅れているためで、2021年度も引き続き状況を見ながら進めていく。

今後の研究の推進方策

キーパーソンへの聞き取りを可能な範囲で行っていく。ライフヒストリー、ムラや地域社会との関連、キーパーソンが有する多種多様な社会的ネットワークの広がりや累積に着目する。それらが創り出す農的世界が現在の社会の諸矛盾を改善・解消する社会変革へとつながっている現実を実証的に明らかにする。
併行して、引き続きキーパーソンに関するインターネット上の情報収集も行い、現地での聞き取りの補足を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍によりフィールドワークが十分に行うことができなかったことによる。2021年度は、コロナの状況次第ではあるが、可能な範囲で現地調査を進めていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 趣旨説明「有機農業と現代の小農・家族農業の関係を問う」2020

    • 著者名/発表者名
      つる理恵子
    • 学会等名
      2020年度日本有機農業学会社会科学系研究会
  • [学会発表] 「『他の選択肢もある』という現実の把握とその提示から」2020

    • 著者名/発表者名
      つる理恵子
    • 学会等名
      2020年度日本有機農業学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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