研究課題/領域番号 |
19K02090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中村 正 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90217860)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 男性性ジェンダー / 子ども虐待 / DV / 加害者臨床 / 関係コントロール型暴力 / 男性生 / 臨床社会学 / グループワーク |
研究成果の概要 |
自治体と連携して取り組む子ども虐待の加害者対応の場である「男親塾」というグループワークの社会実装をとおした研究である。加害者臨床の対象について、父親、夫、男性の交点にある「男親」を特定化したことは成果である。男性性ジェンダーを纏い、日常的な育児にはあまり関与しないにもかかわらずしつけと称して暴力を用い、家族を統制する義務と役割そして権利が父親にあると考えている、つまり関係コントロール型暴力を振るう男たちの姿を明確にできた。母親も体罰を誘発する男親役割を期待している事例も多く、家族システムへの介入が必要となる。
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自由記述の分野 |
社会病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
親密な関係性における脱暴力にむけた加害者対策と加害者への問題解決のための臨床実践は進んでいない。筆者は加害者臨床に必要な「治療的司法・正義」、「ハームリダクション」「加害者臨床」「男性性ジェンダー問題」「臨床社会学的実践」等の概念を検討してきた。DVや虐待の加害者は被害者対応をとおして表面化する。したがって何かをすべきである事態となっている。脱暴力課題を、「治療と回復なき刑罰」でもなく「個人病理化する心理療法」でもなく社会制度的に位置づける根拠と理論を提供することが本研究の社会的意義である。本研究は、男性性暴力についての臨床社会学的な研究の体系化という学術的意義もある。
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