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2022 年度 実施状況報告書

現行少年司法制度における人間科学的知識の使用法をめぐる歴史社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K02097
研究機関筑波大学

研究代表者

土井 隆義  筑波大学, 人文社会系, 教授 (60217601)

研究分担者 秋本 光陽  岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (20910095)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード少年司法 / 少年審判 / 人間科学 / 社会調査 / 家庭裁判月報 / ケース研究 / 調査記録 / 家裁調査官
研究実績の概要

本研究の目的は、現行少年司法制度における人間科学的知識の使用法を、歴史社会学の視座から明らかにすることである。とりわけ言説分析の手法を取り入れることで、使用法の変化について資料の整理をおこなうだけでなく、その背後にある時代ごとの思想の変化そのものを明らかにしていくものである。現行少年法は、少年審判をおこなうための前提として、人間科学(医学、心理学、社会学、教育学など)の知識にもとづく調査と鑑別の実施を求めている。しかし現行少年法は、どの知識をどのような場面で使用すべきかを定めておらず、この点に関する先行研究も非常に乏しい状況にある。
そこで本研究では、これまでに、現行少年法と家庭裁判所が発足した1949年から現在までの期間を対象に、家庭裁判所調査官による調査記録や少年鑑別所技官による鑑別記録、家庭裁判所裁判官による判決文などを収集し、前々年度からは、その収集資料にもとづいた言説分析を開始し、今年度も、引き続きその分析を継続しておこなってきた。
具体的には、前年度に引き続き、最高裁判所事務総局編『家庭裁判月報』、および家庭裁判所少年事件研究会編『ケース研究』のバックナンバーの収集資料にもとづいて、現行少年司法制度における人間科学的知識の使用法を探り、家庭裁判所調査官による調査(社会調査と呼ばれる)の方法、少年鑑別所技官による鑑別(資質鑑別と呼ばれる)の方法、ならびに家庭裁判所裁判官がそれらの調査・鑑別の結果にもとづいて少年の処分判断を行う方法を整理し、そのインプリケーションについての検討をおこなっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

収集資料に基づいた分析についてはそれなりに進められてきたが、コロナ禍の影響が依然として続いていたため、少年司法の実務に関わってきた関係者の人たちからの聴き取り調査をおこなったり、勉強会に参加したりといったことが困難な状況が続いた。そのため、全体の進捗状況としてはかなり遅れ気味になっている。

今後の研究の推進方策

前年度から引き続いて、収集資料にもとづいた言説分析を進めるとともに、今後、コロナ禍の影響も落ち着いていくと期待されるため、関係者への聞き取り調査にも着手したい。また、勉強会については、現地へ出向くことも今年度は可能になると考えられるため、インターネットも併用しながら実施していくことにしたい。

次年度使用額が生じた理由

前年度と同様に、コロナ禍により関係者への聴き取り調査と現地へ出向いての勉強会を実施することができなかったため、次年度使用額が生じてしまった。次年度は、コロナ禍も終息することが予想されるため、本来の計画を実施していきたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 現代の若者はなぜ「診断」を求めるのか?2023

    • 著者名/発表者名
      土井隆義
    • 雑誌名

      思春期学

      巻: 41(1) ページ: 22-26

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大人になりたくない十八歳2022

    • 著者名/発表者名
      土井隆義
    • 雑誌名

      Voice

      巻: 534 ページ: 212-217

  • [雑誌論文] 時代精神としての鬱的気分2022

    • 著者名/発表者名
      土井隆義
    • 雑誌名

      表現者クライテリオン

      巻: 102 ページ: 74-79

  • [学会発表] 現代の若者はなぜ「診断」を求めるのか?2022

    • 著者名/発表者名
      土井隆義
    • 学会等名
      日本思春期学会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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