研究課題/領域番号 |
19K02105
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
湊 邦生 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 教授 (70534907)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | モンゴル / ナショナリズム / ポスト社会主義 / ナショナル・アイデンティティ / 移行国 |
研究実績の概要 |
本研究はモンゴルにおいてナショナリズムの発露とみなされる、「ナショナリズム」を掲げて示威活動や暴力行為を行う団体の登場、環境保護を謳う「エコ・ナショナリズム」、国内天然資源に対する自国の関与拡大を求める「資源ナショナリズム」等の社会現象に着目する。その上で、一次資料に基づく実態把握および、調査データを用いた一般市民の意識の分析を行い、それらの結果から「ナショナリズム」概念について検討する。そうすることで、既存研究において錯綜する「ナショナリズム」概念に対する社会の現実からの再定義や、非欧米諸国、特に東アジアと旧社会主義諸国における「ナショナリズム」への実証的な理解を目指す。 2020年度は新型コロナウイルス感染拡大のためにモンゴルが国境を閉鎖、入国手段が失われた。加えて、国内外の学会大会・研究集会も中止が相次いだ。さらに、感染防止対策として所属先から研究出張に対する禁止・制限措置が課され、県をまたぐ移動も事実上不可能となった。以上から、当初計画していた現地での資料収集、また研究成果の報告の機会を得ることができなかった。 このような外部要因による厳しい制約がおかれた中で、2020年度にはインターネットを利用することで日本国内でも入手可能な現地報道・公式統計の収集と整理、国際調査データの分析を行った。これらの成果については2021年以降に学会大会等での研究報告や、論文執筆・公刊によって発信する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
【研究実績の概要】で記した通り、新型コロナウイルス感染拡大のためにモンゴルが国境を閉鎖され、現地で資料収集ができなかったことに加え、国内外の学会中止や研究出張への禁止・制限措置によって、学会大会・研究集会での成果報告ができなかった。このように、2020年度は研究を進める上で重大な打撃を蒙ることとなった。 一方で、インターネット経由で日本国内で入手可能な現地報道および公式統計の収集・整理を進める一方で、国際調査データの分析を進めることはできた。これらによって、2021年度以降の研究継続や成果発信のための基礎的な作業は行い得た。 以上から、2020年度の研究進捗は当初予定よりも遅れているものの、遅れは2021年度以降に回復可能な範囲内であり、「やや遅れている」との区分が適切と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスにより今年度も現地渡航の可能性がきわめて不透明であることから、モ ンゴル国に関する情報収集はインターネットで入手可能現地報道・公式統計等を活用する。加えて、オンライン上で開催予定の学会大会・研究集会での研究報告を進めるとともに、研究成果に基づく論文執筆・投稿を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に研究出張が不可能となったこと、また研究発表機会が失われたことで、当初使用予定の旅費や、発表に必要な英語校正の費用を執行することができなかった。これらについては、2021年度以降の研究発表ならびに論文執筆・投稿ならびに成果物公刊の機会を設ける中で執行する計画である。
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