研究課題/領域番号 |
19K02108
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
石井 由香 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (20319487)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 多文化主義 / オーストラリア / アジア / 教育政策 / 文化政策 / アジア系オーストラリア人 |
研究実績の概要 |
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、オーストラリアでの現地調査を実施することが不可能な状況となり、研究計画の変更を余儀なくされた。 現地調査ができない状況下で、2020年度は、文献調査およびオンライン資料・情報を中心に研究を進めた。オーストラリアの文化・教育政策および多文化主義に関する書籍、論文の収集を前年度に引き続き進め、「アジア」との関わりを中心に読み込み、整理を継続した。特に重要であったのはオンラインによる資料・情報収集である。これまでも現地の報道機関や政府機関等の情報をオンラインで収集し、分析を進めていた。しかし今年度は、コロナ禍によりオーストラリアにおいても研究活動、社会活動のオンライン化が進み、オンラインによる講演、研究会、動画配信など多くの企画がこれまで以上に実施されるようになった。これにより、本研究にとっても新たな分析資料になる企画がより多くオンライン上で視聴、閲覧できることとなり、今年度はオンライン資料・情報の位置付けと分析方法を熟考する年ともなった。 また、成果発信としては、これまでの研究による知見および2019年度オーストラリア学会30周年記念国際大会(2019年6月)のパネルでの報告内容と関連づけて執筆した英語書評論文(招待論文)が、オーストラリア学会『オーストラリア研究』第34号(2021年3月)に掲載された。これは、同パネルでやはりパネリストであったDavid Walker教授(Deakin University)による二冊の著書に関する書評論文である。両著書はオーストラリアのアジア認識の歴史的変容とアジア認識への人的交流の影響を理解する上で必読書であると言え、本研究にも重要な示唆を与えた。また、本書評論文は、研究の国際交流という点でも意義のある実績である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、文献調査、オンラインによる資料・情報の分析を中心にする形で研究を進めている。また成果発表については、現況において順調に実施できていると言えるだろう。 しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオーストラリア現地調査ができない状況が、2020年3月から1年以上続いている。現地調査では、連邦および州レベルの文化・教育政策および文化・教育コンテンツにおける「アジア」の位置付けと大学におけるアジア研究・教育に関する資料収集と関係者へのインタビュー調査を実施する予定であったが、渡航が不可能な状況でこれを延期する決断をせざるを得なくなっている。 このため、現地調査によらない部分の研究を充実させるべく計画を練り直し、着実に研究を遂行してはいるが、全体の進捗状況としてはやや遅れているという評価になる。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、オーストラリア現地調査が実施できるかどうかは引き続き見通しが不透明な状況である。 現地調査は2021年8~9月と2022年3月に実施予定であるが、実施できない場合も想定しつつ、文献調査を確実に実施していく。また、インターネットによる情報・資料の収集、インタビューの実施などにより、可能な限り現地の第一次的な情報の収集を行い、分析を進める。 文献およびインターネットによる情報・資料などを駆使する形で、全体として予定している研究を実施できるよう、できるだけ柔軟に対応していく。また、論文や研究報告など成果発表も着実に進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、2020年8~9月と2021年3月に予定していたオーストラリア調査出張を中止せざるを得なくなったため、次年度使用額が生じた。 次年度の計画においては、オーストラリア調査出張、資料収集、研究成果発表を予定している。この計画遂行のため、次年度の助成金と合算し、適正に執行する予定である。
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