研究課題/領域番号 |
19K02110
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
菅原 真枝 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50359501)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 外国人ケアワーカー / 経済連携協定 / 介護福祉士 |
研究実績の概要 |
第一に、インドネシアから経済連携協定にもとづく介護福祉士候補者を受け入れている社会福祉法人Aを訪問し、受け入れ側の体制づくりについて情報収集をおこなった。そのうえで、調査協力を依頼し、調査実施についての了解を得た。第二に、社会福祉法人Aが運営する事業所に勤務するインドネシア人介護福祉士候補者8名を対象に、半構造化面接法による質的調査をおこなった。主な調査項目は、学歴、有資格状況、家族関係、制度を知った経緯、日本を選んだ理由、仕事に対する考え方、一日の生活時間、社会的ネットワークの状況、地域社会との関係性、将来展望、日本への定住意向、等とした。調査実施後は、デジタルデータとしての入力作業をおこない、その質的分析に着手した。第三に、インドネシアバリ島シンガラジャを訪問し、技能実習生の送り出し機関「リンタスネゲリ研修技能実習協会」および「Royal International」にて聞き取り調査をおこなった。介護分野の技能実習生についてはまだ実績がないが、状況をみながら現在検討中であることがわかった。また、経済連携協定にもとづいて来日した経験のある者がこれらの団体でスタッフ(事務職および日本語教育担当)として就労し、日本への人材送り出しの媒介役を担っていることも明らかになった。調査では、団体の沿革やこれまで送り出した実習生の数、日本語教育の状況など、基本的な情報を得た。なお現地では、研究協力者の協力により、母国語で聞き取り調査を実施した。得られた情報については、現在、データを整理しているところである。第三に、我が国における移民や外国人労働者に関する基本的な統計データや、それらにもとづく先行研究を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査計画にもとづいて研究の遂行をおこなっているため、おおむね順調に進展している。ただし、あらたな調査対象者を獲得するための予備的調査を実施するにはいたらなかったため、計画していた以上に進展しているとは言えない。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、調査活動が制限されているため、思うように研究を遂行することができていない。そのため、すでに得られたデータの整理を集中的におこなうとともに、関係する資料をできる範囲内で収集することに専念する。調査活動の制限が解除されたさいには、関係諸機関に対する訪問調査を実施し、あらたな調査対象者の選定に早急に着手したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に計画している聞き取り調査の対象者を選定するための予備的調査の実施に遅滞が生じたためである。新型コロナウィルス感染拡大を防止するための活動制限が解除されたならば、早急にその予備的調査に着手し、遅れを取り戻すことにしたい。
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