研究課題/領域番号 |
19K02110
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
菅原 真枝 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50359501)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 外国人ケアワーカー / 経済連携協定 / 介護福祉士 |
研究実績の概要 |
今年度も、新型コロナウィルス感染症の感染拡大にともない、計画していた研究を予定どおり遂行することが困難となった。調査対象として予定していた高齢者福祉施設はいずれも、2020年2月以降、部外者の立ち入りは原則として認められていない。そのため、第一に、高齢者福祉施設Aで聞き取り調査を予定していたインドネシア人介護福祉士候補者10名のうち、1名は2020年5月に帰国、さらに1名が2021年6月に帰国したが、彼らとは良好な関係性を構築していたため、web会議サービスであるzoomソフトを利用し、月2回程度は交流をはかり、関係性の維持をはかった。一時帰国の予定がすべてキャンセルになり、来日以来、一度も母国に帰ることができていない状況のなかで、いかに日本での生活を継続するかについて話を伺うことができた。第二に、高齢者福祉施設Bで雇用されているインドネシア人技能実習生は、個別には連絡をとることが困難であったため、調査を実施することはできなかった。入国予定とされていた実習生も、入国ができない状態が続き、聞き取り調査をおこなうことができなかった。第三に、調査計画の全体が遅れていることもあり、今年度こそインドネシアを訪問し、看護専門学校および技能実習生の送り出し機関を訪問することを実現させたかったが、渡航制限は解除されることはなく、遂行することができなかった。全体として研究計画はほとんど遂行することができず、昨年度と同様、介護福祉や認知症ケアに関する資料収集のほか、外国人労働者の国際移動や技能実習生を取り扱った文献を入手するにとどまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の感染拡大にともない、調査対象である高齢者福祉施設を訪問することができなかったため。また国内外の移動が制限され、計画して いた調査活動をおこなうことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画遂行の遅れを取り戻すべく、すぐにでも調査活動を再開したいところではあるが、本研究の調査対象は感染リスクの高い要介護高齢者が利用する福祉施設で働く外国人介護福祉士候補者および外国人技能実習生、また、その受け入れ施設の関係者であるため、対面の調査活動の実施については慎重に検討しなけれ ばならない。研究計画の変更点として、web会議システムのzoomを活用することにより、オンラインによる聞き取り調査や現地からの情報収集の実施の方法を模索しながら研究を遂行することを検討していたが、現地に足を運び、対面での信頼関係をある程度築いていなければ、遠隔での調査を実施することにも困難が伴うことを実感している。感染状況を睨みながら、なんとか現地訪問の機会をうかがって、まずは調査対象者との関係構築から始めなければならないと感じている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大にともない、研究が計画どおりに遂行できなかったためである。本研究の調査対象は感染リスクの高い要介護高齢者が利用する福祉施設で働く外国人介護福祉士候補者および外国人技能実習生、また、その受け入れ施設の関係者であるため、対面の調査活動の実施は不可能であった。web会議システムのzoomを活用することにより、オンラインによる聞き取り調査や現地からの情報収集の実施の方法を模索しながら研究を遂行することにより、研究の遅れを取り戻そうと考えていたが、実際にラポール関係が構築されていなければ、遠隔での調査実施も難しいということを痛感している。来年度はコロナの感染状況をにらみつつ、可能な限りで調査活動を再開したい。
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