研究課題/領域番号 |
19K02115
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
梅崎 修 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (90366831)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 労働史 / 労使関係 / オーラルヒストリー / 日記 |
研究実績の概要 |
コロナ禍で止まっていた全繊同盟(現UAゼンセン)のユニオンリーダーのオーラルヒストリー・インタビューを再開することができた。元産別組織の代表の証言が得られたことで、ある一時代の産別組織の活動方針を把握することができた。インタビュー対象者が高齢者なので、感染状況を見ながら、感染対策をしてインタビューを行った。 2021年度末でオーラルヒストリーの記録編集は終了しているので、最終確認をして2022年度はじめに公開資料として刊行する予定である。この口述記録を使えば、関西圏において全繊同盟のユニオンリーダーであった中村幸男氏の活動を側面から知ることができる。また、公開することで歴史研究として開かれた史料批判が可能になる。このオーラルヒストリーも引用しながら分析を続けている。 産別組織と単組、中央組織と地方部会(この場合は関西)、全繊同盟の組織文化などを分析できたと考えている。 一方で、戦後日本における雇用関係史について過去に執筆した論文原稿を整理し、研究会形式で一つひとつ議論を重ねた。戦後日本雇用関係史に対する通史的な理解を深めることできた。日本的雇用システムの形成と、産業別・地域別労働組合運動の関係を検討した。結果的に、本プロジェクトが対象としている労働社会の形成における労働者の内面世界を分析できる枠組みを議論することができたと考える。戦後日本雇用関係史に関しては、共著の本の執筆を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染対策の関係で全繊同盟のオーラルヒストリーを一時ストップした結果、調査スケジュールが遅れてしまい、その関係で日記分析もやや遅れてしまった。高齢者のインタビューなので、緊急事態宣言中はインタビューを中止せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に終了した全繊同盟のユニオンリーダーのオーラルヒストリーに引き続き、その後輩世代のユニオンリーダーのオーラルヒストリーを行う予定である。全繊同盟の会長経験者の証言が得られることで、産別組織の活動は把握される。日記分析と対応させて研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響でインタビューが途中で中止になった。コロナの感染状況を見ながら、昨年進める予定だったオーラルヒストリーのインタビューを5月より開始する。
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