研究課題/領域番号 |
19K02143
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
中道 仁美 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (30254725)
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研究分担者 |
大友 由紀子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (00286121)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 森林・林業 / 女性 / キャリア形成 / 移動 |
研究実績の概要 |
2019年度は、国内の林業地帯で森林・林業関連産業に従事する女性へのインタビュー調査と、イタリア北部の林業地帯で、林業教育機関へのインタビュー調査と、紹介してもらった13名の森林・林業関連産業に従事する女性たちへのインタビュー調査を行った。 イタリア調査では、夏季に調査を行った。まず、林業関連教育機関への調査を行ったが、高等教育機関(大学)であったので、紹介された森林・林業関連産業に従事する女性の多くが公的機関に従事していた。それゆえ、次年度は、もう少し、下位レベルの教育機関(高校)へのインタビューを行う必要がある。また、現場に勤務する女性も2名調査した。ただ、日程的に非常に短い時間に多くの女性へのインタビューを行ったため、再度、対象女性を選定して、深いインタビュー調査をする必要があると考えた。そこで、春季(3月)には、同じ地域で、林業労働者への再インタビューを行う予定であったが、今回のコロナ問題により、調査ができなかった。いずれにしろ、今回の調査から、日本よりも公的な機関で専門職として多くの女性が活躍していることが見えた。そこには、教育機関と現場の密接なつながりがあり、特に女性の場合、地元志向があったのは、イタリアの文化風土にもよるが、日本の女性たちともつながり、興味深かった。 一方、日本の調査は、過年度からの継続調査であり、その結果を日本村落研究学会の大会において、「森林・林業に関わる女性の結婚・就労に見る移動とキャリア形成」という題で報告した。日本では、20世紀までは女性の移動研究の大半は婚姻移動であり、実際調査結果からも同様の結果がみられた。若年層では、自然環境を求める女性が、就業先として森林・林業関連産業に就職しており、都市からの多く移動がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3月の調査はできなかったが、下記の調査、国内調査など、概ね調査が順調に進んでいる。また、学会報告も行った。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ問題の発生により、どこまで調査が可能か不明である。 対面調査が必要な研究であるため、夏季の調査は断念せざるを得ないし、学会報告も難しい。国際学会で報告する予定であったが、来年に延期されたことから、費用の面から難しいと思われる。 一方、国内調査結果を大会報告した内容については、現在、執筆中であり、掲載されるよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月に調査を行う予定であったが、コロナ問題でできなかった。
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