研究実績の概要 |
本研究では、教育研究評価における数値指標が世界的規模で普及していった背景に加えて、それらの指標をめぐる誤解や誤用を取りあげ、それらが生じてくる社会的背景とその正負両面の影響について明らかにしていくことを目指した。その一環として、2023年9月にはカナダのビクトリア大学、同年11月には台湾の東海大学、国立成功大学、国立台中科技大学で、それぞれインタビュー調査をおこなった。なお、ビクトリア大学では、KPIs & PDA? Management Speak in Japan’s Higher Education Reformと題するセミナーの講師をつとめた(2023年9月7日)。 今年度実施した研究の成果の一部については、以下の一連の論文として発表されてきた(いずれも単著)。大学院教育のPDCA:「研究基礎」の事例を中心にして 『同志社商学』 第75巻第1号, pp.1-26. 2023年6月、Performance Indicators and Policy Cycles: On Paradoxical Longevity of Management Buzzword in Japan’s Higher Education Reforms. 『同志社商学』 第75巻第4号, pp.1-22. 2024年1月 なお、研究代表者は、本研究の成果を踏まえた次のステップとして、特に経営学の分野に焦点をあてた、研究論文の国際標準化に関する実態調査を企画し、その準備と予備調査を進めている。その研究プロジェクトにおいては、日本の実態に加えて、海外特に東アジアの国々と日本とのあいだの国際標準化におけるタイムラグおよび他の研究領域と経営学の違いが比較事例分析の焦点となる予定である。
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