本年度は、ようやくコロナ禍の渡航規制後となり、米国での調査を再開する事ができた。それと共に、日本での面接調査も再開した。当初、20年前にインタビューを行った家族に再度インタビューをする予定であったが、コロナ禍の間に、インタビューに応じて頂く予定だったご家族の予定や対象者が変わるなどして、調査スケジュールの再設定が難航した。さらに為替の変動で円安が進み、当初予定していた2回の米国調査が予算内では1回のみ可能となり、今年度の調査内容の変更を余儀なくされた。この件について、エコカルチャー・プロジェクトの総括責任者であったUCLAのT. Weisner博士と協議を重ねた結果、今年度の調査では、これまでの調査にご協力いただいた日米の家族会のリーダーの方々から、家族会の活動やその家族がこの20年間にどのように変化して来たかを調査する事とした。今回、米国の南カリフォルニアから「手をつなぐ親の会(JSPACC:Japanese Speaking Parents Association of Children with Challenges)」の会、北カリフォルニアのAsian Community Mental Health Center障がい家族課の日系家族担当の方それぞれに、エコカルチャー面接の10項目に関して質問しながらインタビューを行った。日本からは、エジソンクラブ奈良ポップコーンの代表、沖縄アスペルガーの会の代表で沖縄国際大学教員の方にインタビューを行った。日米それぞれのインタビューでは、親の会のリーダーとして関わって来た内容、また個々の家族が、この20年余の中でエコカルチャー面接の10項目についてどのように変化してきたのかについてインタビューしたものをまとめた。尚、北海道調査でご協力を頂いた、札幌クローバー親の会、東京エジソンクラブ代表とのインタビューは持ち越しとなった。
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