研究課題/領域番号 |
19K02156
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
村上 慎司 金沢大学, 経済学経営学系, 講師 (80584359)
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研究分担者 |
角崎 洋平 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (10706675)
中倉 智徳 千葉商科大学, 人間社会学部, 講師 (30586649)
堅田 香緒里 法政大学, 社会学部, 准教授 (40523999)
箱田 徹 天理大学, 人間学部, 准教授 (40570156)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ケイパビリティ / 地域社会 / 福祉行財政 / 自治 / 自立 |
研究実績の概要 |
2020年度の研究実績について、これまでの研究会の議論の蓄積を活かして、以下のような研究成果があった。まず、村上慎司(2020)「最低生活と自立の理論的再検討――ケイパビリティの観点」『医療・福祉研究』28:33-40 についてである。同論文の目的の一つは、本研究課題における重要概念である自立概念を理論的に考察することである。具体的には、生活保護制度および生活困窮者自立支援制度における自立概念とアマルティア・センが提唱するエージェンシー的自由との理論的な関連性を検討した。そのうえで、同論文はエージェンシー的自由の政治的次元の解釈から社会保障の社会運動論的な意義を示唆できた。こうした社会保障の社会運動論的なインプリケーションに関して、村上は、金沢市を中心した諸団体の関係者を招聘した日本医療福祉政策学会の企画であるシンポジウム『地域医療・福祉の実践――達成と今後の課題』を開催した。その問題意識は、医療福祉政策における(1)中央・国家レベルではなく地方・地域レベルに焦点を合わせ、かつ、(2)トップダウン型・行政主導ではなくボトムアップ型・住民主導の政策形成に関する研究・実践の重要である。石川県社会保障推進協議会や石川県保険医協会などの関係者を招聘して、議論を深めた。その他に、本研究課題に関連する研究分担者の業績は別紙に記載した通りであるが、ここでは研究協力者である橋口昌治(2021)「道路交通法の誕生――1950年代の日本における「自由主義的統治への再編」と社会政策」『立命館生存学研究』Vol.5を挙げておく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度に予定していた調査計画を遂行できず、また、研究会も十分な回数を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染対策のため、昨年度同様に、2021年度の調査研究を遂行することは非常に難しいので、オンラインでの研究会を定期的に開催し、関連文献を検討して理論研究を中心に推進していく。具体的には、統治性概念とエージェンシー的自由に関する文献を精査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染対策のため、調査が実施できず、次年度使用が発生した。理論研究のための図書費用を増やす計画である。
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