研究課題/領域番号 |
19K02163
|
研究機関 | 北海道文教大学 |
研究代表者 |
大川 浩子 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (50458155)
|
研究分担者 |
宮本 有紀 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (10292616)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 就労支援 / 管理職 / 組織 / 人材育成 / 研修 |
研究実績の概要 |
本研究は障害者に対する質の高い就労支援の提供を目指し、支援者の育成とその支援のため管理職に対する養成プログラムを開発を目的としている。3年間で実施する研究であり、本年度はその第1段階として「組織における人材育成の現状と課題の把握」に取り組んだ。方法は就労支援機関の管理職を対象に、人材育成の現状と課題についてアンケート調査とインタビュー調査を実施した。詳細は、以下のとおりである。 1)アンケート調査:就労支援機関(多機能型を含めた就労移行支援、就労継続支援(A・B型)の各訓練等給付事業所、及び、就業・生活支援センター事業実施施設)の管理職に対し、アンケートによる調査を行った。対象施設選定は障害者就労・生活支援センター事業は厚労省のリスト、他はWAMNETを参照し、各事業300ヶ所とし、地域ごとの事業所数を考慮してランダムに抽出した。また、調査内容は、前回の挑戦的萌芽研究で得られた就労支援実践者のデータと比較するため、基本情報及び人材育成の現状と課題に関する項目ついては管理部分に関する質問以外はそろえた。また、前回調査で利用した、職業性ストレス簡易調査表(厚生労働省,2015)、職務ストレス(石原,2011)、ワーク・エンゲイジメント(日本語版UWES,島津,2015)も比較のため含めた。アンケート調査の回収率向上のために、督促はがきを回答期限1週間前に送付した。 更に、予備調査として、支援者のセルフケア研修参加者に対し、アンケート調査を依頼し、上司(管理者)との関係性について調査を行った。 2)インタビュー調査:就労支援機関の管理職における現状と課題について、質的な側面から検討するために就労支援機関の管理職10名(事業形態、管理職経験年数が配慮した形で依頼)に依頼し、60分程度の半構成的面接によるインタビューを実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケートに関し、以前利用していたWebサイト(WAMNET)の情報提供方法が変わったため、発送先の選定及び情報抽出に時間がかかり、3月末の時点ではほぼ回収が終わったところでとどまっている。今後、集計と分析作業に取り掛かる予定である。 また、アンケート作業が遅延したため、インタビューの実施時期も遅れ、結果として新型コロナウイルスの蔓延時期と重なり、10名のインタビューを取り終わった段階で終了している。今後、2名の対象者の追加を予定しているが、この実施についても新型コロナウイルス蔓延のため、作業がより遅れることが見込まれる。
|
今後の研究の推進方策 |
アンケートの集計及び分析、インタビューの追加調査と分析を2020年9月ごろまでに終了し、施行プログラムの開発に入る。試行プログラムの実施は、新型コロナウイルスとの動向にも影響するが、2021年3月ごろの実施に向けて計画する。 また、今後、新型コロナウイルスの動向に左右されないようにWebの活用による試行プログラムについても検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度、調査開始が遅れてたため、データ入力および、インタビューデータのテープ起こしを予定していた分を年度内に執行することができなかった。 次年度にデータ入力、テープ起こしを行い分析を進めるため、残額は執行される予定である。また、新型コロナウイルスの影響で対面型の試行プログラム研修実施が厳しい場合は、Webでの開催を計画しており、新たに費用が掛かるWeb環境整備に状況によっては使用使途を変えることも検討している。
|