研究課題/領域番号 |
19K02163
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研究機関 | 北海道文教大学 |
研究代表者 |
大川 浩子 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (50458155)
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研究分担者 |
宮本 有紀 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (10292616)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 就労支援 / 管理職 / 組織 / マネジメント / 人材育成 |
研究実績の概要 |
本年は、前年度に実施した、地域の就労支援機関の管理者を対象にとしたインタビューデータについて分析を行った。インタビューは、現在の所属機関での人材育成や組織に関する課題について60分程度実施し、ICレコーダーで記録したものを逐語録にした後、テキストマイニングを行った。テキストマイニングでは、対象の属性による傾向を見ることを目的に定量的に分析を行った.分析手順は、管理者の所属機関の事業形態、所属法人の役員兼務の有無、法人規模の属性を外部変数とし、コードのクロス集計後、χ二乗検定をった。 その結果、【職員教育】【管理業務】【職員採用】に関しては属性問わず取り組みや課題があると思われたが、【収支状況】【人事システム】【役割】に関しては属性による違いがあることが考えられた。具体的には、以下の通りである。 1)職員教育は法人組織や事業所で方針か決まっているわけではなく、管理者の経験や感性に任されている部分が多々あると考えられる。2)管理業務は管理者によって他の業務との割合が異なる。3)職員採用については事業形態を問わず、募集をしても採用に苦労している。4)事業形態別では、就労移行支援事業所の管理者において、収支状況に関する発言が多く支援と収支状況のバランスを課題を感じている。5)法人役員の兼務をしている管理者は、役員、管理者、支援者の3つの役割があることが課題となっている可能性がある。6)運営法人の規模が大きい場合は、人事システムが明確であるため、管理者の役割に関する葛藤が一部解消される可能性がある。 なお、本研究の限界としては、大規模法人の管理者が含まれておらず、事業所の地域としても都市部が多いことがあげられる。今後、大規模法人の管理者や異なる地域の管理者の協力を得て、精査していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍が続いており、本来であれば、研修プログラムの効果まで判定している予定であったが、現段階では、研修の基礎となる調査までしか進めることが出来ていない。対面での実施は今後も厳しいことが考えられ、Webでの研修プログラムの開発の方向を検討する必要があると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
1年期限を延長し、本研究実績で述べた研究の限界部分(法人規模、地域性)について追加調査を行う。あわせて、Webによる試行研修プログラムの実施を準備する。試行研修プログラムの効果によっては、本研修プログラムの立案を年度内に目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で対面による試行研修プログラムの実施ができなかっため。
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