研究課題/領域番号 |
19K02170
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
寺田 貴美代 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70352680)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | DV被害者支援 |
研究実績の概要 |
ドメスティック・バイオレンス(以下、DV)の被害者とは、一般的に配偶者などからの暴力による被害者をさす。ただし、児童虐待とも密接に関係しており、日本人男性と外国人女性との国際結婚による子どもなど、多様な文化的背景をもつ母子における被害が急増している。このようなケースに対しては、多文化ソーシャルワークの有効性が指摘されているものの、その具体的な支援方法は未だ確立しているとは言い難い状況である。 そこで2020年度は、以下を目的として本研究を実施した。まず第1に、外国人女性とその子どもたちのDV被害の実態と、現状の支援の問題点を明らかにすること。そして第2に、多様な文化的背景に配慮するソーシャルワークである多文化ソーシャルワークを活用し、臨床レベルの支援に、地域ネットワークや国際連携による支援を統合した包括的なサポート・システムモデルを開発すること、の2点である。 2020年度においては、2019年度に実施した外国人女性とその子どもたちのDV被害や支援に関する先行研究の把握を引き続き行い、理論的検討を深めた。また、これまでの研究において実施してきた母子生活支援施設での調査を継続して実施できるよう準備を進めるとともに、外国人DV被害者への支援における現状の考察や、それらの課題について検討した。さらに、これまでに実施した調査結果の分析をとおして、特に問題が長期化・深刻化しやすい傾向がある外国人女性やその子どもたちのDV被害に関する考察を深めた。 次年度以降の研究計画としては、さらに調査研究を発展させるとともに、理論的な精緻化を図りたいと考えている。それにより、地域ネットワークによる協働体制と、支援機関の国際ネットワークによる連携体制を統合したサポート・システムモデルを開発することを目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題、「多文化ソーシャルワークによるDV被害者支援の包括的サポート・システムモデルの開発」は、2019年4月から開始した研究であり、その後、現時点までの2年間において、新型コロナウイルス感染症の影響拡大によって、調査等を中心に研究計画の一部を次年度に順延する必要性が生じたものの、全体としては大幅に支障をきたすような問題は生じていない。また、本研究の調査協力団体からは、引き続き研究協力の了承を得ていることから、当初の研究計画書に記載した予定と、おおむね一致して研究を遂行していると理解している。したがって、現在までの進捗状況に関しては、「おおむね順調に進展している」という区分が適切であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、本研究の調査協力団体の事情により、研究計画の一部を次年度に順延したことから、この点を中心に調査研究を発展させることを目指したいと考えている。具体的には、新型コロナウイルス感染症の影響拡大によって調査協力団体に赴いて直截聞き取り調査を行うことが困難な場合にも、Zoomなどのツールを用いてオンライン上で同時双方向型の聞き取り調査を実施するとともに、電子メールや電話なども活用して調査を進めることを計画している。そのような方法によって得られた調査結果をもとに外国人DV被害者に関する支援体制の現状と課題について分析を行うとともに、これまで実施してきたDV被害者支援体制に関する理論的な精緻化を図りたいと考えている。そして、地域ネットワークの構築による協働体制と、支援機関の国際ネットワークによる連携体制を統合したサポート・システムモデルを開発することを目指していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、本研究の調査協力団体である母子生活支援施設と連携し、現地に赴いて聞き取り調査研究を進める計画であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症による影響 の拡大により、当初の調査計画の一部を見直すことになった。そのため、研究計画の一部について次年度へ延期する必要性が生じた。したがって、研究費の未使用額については、延期せざるをえなかった一部の調査研究の遂行および分析のための経費に充てることにしたいと考えている。
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