研究課題
基盤研究(C)
DVは児童虐待とも密接に関係しており、多様な文化的背景を持つ親子の中でも被害が急増している。このようなケースへの支援においては多文化ソーシャルワークの有効性が指摘されているものの、具体的な支援方法は未だ確立しているとは言い難い状況である。そこで、第1に、外国人女性とその子どもたちのDV被害の実態と、現状の支援の問題点を明らかにし、第2に、多文化ソーシャルワークを活用した臨床レベルの支援に、地域ネットワークを取り入れた包括的な支援モデルを構築することを目的として本研究を行った。
社会福祉学
多文化ソーシャルワークを活用した、DV被害者に対するサポート体制は必ずしも十分に確立されておらず、その開発は急務の課題であると考える。そのような中、臨床レベルでの支援モデルに、地域ネットワークを統合することによって包括的なサポート・システムを開発した本研究は、多様な文化的背景をもつ人々への支援に応用できる重要なモデルである。そのため、直接的なDV被害者への支援に役立つことはもちろんであるが、多文化共生社会の実現に向けて必要な体制の構築へと展開が期待できる点でも社会的意義を有すると考える。