研究課題/領域番号 |
19K02176
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
堀江 尚子 畿央大学, 健康科学部, 教授 (50598943)
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研究分担者 |
山崎 尚美 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
葛西 リサ 追手門学院大学, 地域創造学部, 准教授 (60452504)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 看取りケア教育 / 施設看取り / 単身高齢者 / 貧困高齢者 / 在宅ケア / 施設ケア / ケアギバーケア / 高齢者施設 |
研究実績の概要 |
小規模多機能居宅介護事業所での調査を基に看取りケアにかかわるスタッフ育成に不可欠なことについて検討を行った。看取りケア教育で経験の浅い介護者の不安を和らげる役割を担う者が必要であるが、その役割をマニュアル化することはできない。また看取りケアでは介護者の感度が要求され、そのために大切なのは対象と介護者の継続的な関係である。マニュアル化できない理由として、看取りケアがプロセス・コンサルテーションであるためである。看取りケアは点でなく線であり、介護者はその経過を対象と共に過ごす。その相互応答の積み重ねが、介護者の感度を磨き、看取りにおいて、対象が良い死に方ができたと介護者が思えることにつながる。シャイン,E(2009)は、支援者の役割として基本的に①情報やサービスを提供する専門家、②診断して、処方箋を出す医師、③公平な関係を築き、どんな支援が必要か明らかにするプロセス・コンサルタント、の3種類あるという。対象と介護者の継続的で相互的な関係では、介護者はプロセス・コンサルタントである。この支援は個別の関係が規定し、支援の内容は標準化が困難である。但しプロセス・コンサルタントとしての姿勢は獲得可能なスキルといえる。 2022年は住宅型有料老人ホームで看取りケア教育の状況調査を実施した。調査対象施設は生活保護受給者が8割の施設で貧困単身高齢者が多く入所している。た。現場ではCOVID-19の影響を強く受けており混乱が続いている状況にあるが、貧困単身高齢者を支援するケアスタッフの看取りの現状に関する知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年、COVID-19感染拡大の第7波は夏にありその後年内に第8波が襲来した。前年度よりも感染状況への対応力は上がったとはいえるが、高齢者は感染による死亡率か高く、本研究の対象である高齢者が入居する施設では感染対策に厳しい規制が引かれている現状が続いている。感染者が減少している期間であっても、調査依頼に対する受け入れは了承されない状況が続いた。
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今後の研究の推進方策 |
機縁法による調査を中心に進める予定である。介護老人保健施設、介護老人福祉施設、介護医療院、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、グループホームなどを対象とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年末に確認された新型コロナウイルスは、その後変異株が新たに発見され、世界規模での感染拡大と終息を繰り返したことの影響を受けた。しかし2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に引き下げられることが予定されており、これに伴い行動制限の大幅緩和が見込まれている。よって現地調査実施の受け入れ可能性も高いと期待でき、多様な施設での調査予定である。
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