研究課題/領域番号 |
19K02195
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研究機関 | 茨城キリスト教大学 |
研究代表者 |
中島 美那子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (60571289)
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研究分担者 |
神永 直美 茨城大学, 教育学部, 教授 (20435225)
木村 由希 常磐短期大学, 幼児教育保育学科, 准教授 (90446146)
安藤 みゆき 茨城女子短期大学, その他部局等, 教授 (90612797)
平田 正吾 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10721772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 子育ての社会化 / 虐待予防 / 発達支援 / ノーバディーズ・パーフェクト / リフレクティング・チーム・アプローチ / 地域力 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで子育て当事者(保護者)、支援者、地域の大人それぞれに対して別の次元と捉え、別のアプローチのもとに進められてきた「子育ち・子育てに対する学び」について、地域包括的に実践することのできる共通プログラムを開発することを目的としている。 1年目および2年目には、プログラムの試行を重ねた。特に新型コロナウィルス感染症が拡大した2年目は、オンラインによる研修試行を2箇所で実施したが、その効果は対面で実施した研修プログラムと大差ないことが認められた。そこで3年目となる今年度も、オンラインによる研修プログラムを実施し、その効果について検討を重ねた。また新たな試みとして、研修プログラムの試行を、養育里親とその支援者にあたる里親支援専門相談員とから成るグループに行った。教え教えられる縦の関係ではなく、互いに水平な横のつながりを持ちにくい里親の状況、および、ともすると「支える・支えられる」の上下関係になってしまいがちな、里親と相談員の関係性の見直しにも大きく貢献することが示唆された。 前年度の課題であった、研修最終回に行うとしているRTA(リフレクティング・チーム・アプローチ)のオンラインによる導入方法も検討し、カメラのオンオフを使い分け、自らの姿を画面から消したり映したりすることで、RTAの実施が可能となった。 今年度は効果の持続を検討するために、1年目の参加者に対する面接調査も一部実施し、研修プログラムの内容について、その後の変化について、子育てへの考え方について等を尋ねた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度の当初予定は、対面による研修プログラムの試行を増やすことであったが、コロナウィルス感染症の蔓延防止の観点から、対面での実施が難しい時期が続いた。現に、里親に対する研修試行が直前で中止となってしまうなど、実施に対する困難性があった。ファシリテーター養成講座の実施も計画をしていたが、上記同様の理由により、次年度への持ち越しとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は最終年度となることから、特に地域住民グループと子育て当事者である保護者グループへの実施を進め、プログラム内容を確実なものにする。その際、プログラムでの提示資料もさらに吟味し、最適なものを使用できるよう検討を重ねていきたい。 これまでの参加者の中から希望者を募り、ファシリテーター養成講座も行う。それにより、ファシリテーターの養成の仕方についての検討がさらに進み、かつ受講者によるプログラム実施が実現することで、地域へのプログラム普及にもつながる。最終的には「子育ての社会化プログラムのファシリテーターマニュアル」を作成し、研修を普及する方法についてさらに検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、対面による研修プログラムの試行が減少し、代わりにオンラインによる実施となった。そのため、試行回数が制限され、参加者への謝金が減額となった。またオンラインであったため茶菓代や交通費などが不要となった。 研究発表などのために出向く学会研究大会も、その多くがオンラインとなり、宿泊費や交通費としての支出が減った。 次年度は、これまでプログラムに参加した対象者に対してインタビュー調査を実施するため、その際の謝金や音声データの逐語録作成などに費用が生じる予定である。 また、ファシリテーター養成マニュアルの作成をすることから、印刷費等の費用も必要となる。
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