研究実績の概要 |
初年度に欧米で収集した質的データに基づき、本研究の最終目的である「参加の質」尺度開発に必要な理論的枠組みとして、66のコードに裏付けられる「参加」の2x3モデルを構築し、質的研究論文(英文)として国際学術雑誌(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34252011/)に出版した。この論文では、参加を"a behavior, comprised of three blended activity domains, entailing actions and interactions that concern Autonomy and Egalitarian Connection, which, dynamically interacting with each other, appear to condition meaningful participation the next day"と定義し、援助者が精神障害当事者とエガリタリアン関係を形成できるためのスキルトレーニングの重要性を示唆した。 次に、この理論的枠組み・コーディングスキームに沿って、尺度項目(英文)を、複数の研究者との協働による複眼的な視点から生成し始め、現時点で300項目以上生成でき、日本語への翻訳を2022年度の夏までには完成できる見通しをつけることができた。また、日本語版への調整に必要な日本からの質的データ(フォーカスグループ)を収集するために、いくつかの日本の施設との連絡がとることができ、現在日程などを交渉中である。 なお、昨年度共同執筆し始めたもう一つ別のテーマでの論文は、分析の章についてほぼ完成することができた。また、2021年度中には今回の研究を基盤とする次の研究計画の骨子が浮かび上がり、現在次の科研費応募に向けて研究計画を執筆中である。
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