研究課題/領域番号 |
19K02198
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
小高 真美 武蔵野大学, 人間科学部, 准教授 (60329886)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自殺予防 / ソーシャルワーク / 教育 / 演習 / 実習 |
研究実績の概要 |
本研究では、ソーシャルワーカーを目指す学生が、自殺の危機にあるクライエントの支援に求められる、より実践的な知識や技術を身につけるための教育(以下、自殺予防教育)に活用できる、①演習プログラムの開発と②実習指導法の提案を行い、最終的に③ソーシャルワーカー養成過程における包括的な自殺予防教育の推進を目指すことを目的とする。2019年度はまず①の演習プログラムの開発に着手した。具体的な方法として、自殺対策やソーシャルワークを専門とする大学等教員、臨床家、研究者等10名とともに、本研究代表者らにより既に開発された自殺予防教育プログラムにおける演習プログラムの位置づけや、演習プログラムに盛り込むべき内容について協議を重ねた。それにより、演習プログラムの具体的な構成・内容・使用資材が開発された。演習内容は、ロールプレイ演習を中心とする。使用資材は、自殺ハイリスク者であるクライエントとソーシャルワーカーの対話で構成されるロールプレイシナリオである。ソーシャルワーカー役のセリフの一部が空欄となっており、該当箇所について学生がグループで討議して空欄を埋め、シナリオを完成させる。次に完成したシナリオをもとに、演習担当教員がシナリオ中の自殺ハイリスク者役を演じ、学生がソーシャルワーカー役を演じる演習を行う。ロールプレイ演習後には、振り返りのグループ討議の時間が設けられ、教員が学生の討議内容にコメントを行って演習を終了する。演習プログラム前には、前述の自殺予防教育プログラムの短縮版を実施して、学生が円滑に演習に移行するための工夫も行う。研究初年度はさらに、演習プログラムの実施可能性研究にむけた準備にも着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
演習プログラムの開発までに繰り返しの慎重な討議が求められ、当初の予定よりもその討議に多くの時間を費やしたことから、研究計画書で年度内に実施を予定していた実施可能性研究の遂行にまで着手することができなかったことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、開発した演習プログラムの実施可能性と効果の検討のための研究を遂行する予定である。ただしCOVIC-19 の感染拡大の影響により、各ソーシャルワーカー養成校における対面授業の開始時期が未定のため、まずはオンライン双方向授業における、演習プログラムの実施可能性を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
プログラム開発までに当初の計画よりも時間を要し、プログラムの実施可能性研究に着手することができなかったため次年度使用額が生じた。2020年度にプログラム実施可能性研究を遂行し、使用する予定である。
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