研究課題/領域番号 |
19K02208
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研究機関 | 中部学院大学短期大学部 |
研究代表者 |
高野 晃伸 中部学院大学短期大学部, 社会福祉学科, 准教授 (60512879)
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研究分担者 |
吉川 杉生 中部学院大学短期大学部, 社会福祉学科, 教授 (10331597)
中川 雅人 中部学院大学, スポーツ健康科学部, 教授 (10352832)
山下 科子 中部学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (00739774)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 3Dプリンタ等デジタル工作技術 / 福祉用具作製 / 介護職員の実践的教育プログラム / デジタル工作技術の基礎的研修会 / 介護福祉士養成校の学生 / 3Dプリンタ活用教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、3Dプリンタ等のデジタル工作技術を介護分野での福祉用具作製に活用できる介護専門職の養成を目的とし、実践的教育プログラムの開発と効果的な実施を促す体制(プラットフォーム)の構築を目指している。 2021年度は、感染症を鑑みながら定期的に研究会を開催し、研究計画の実施に向けた準備を進めてきた。その結果、これまでの研究成果によって作成した実践的教育プログラムを、2年課程の介護福祉士養成校で学ぶ2年生68名を対象とし、2021年7月31日(土)から8月5日(木)の間に90分授業10回分を集中講義で実施した。この講義では、学生自身で3Dプリンタを活用し介護現場等で求められる介護支援機器を作製した。さらに最終日に学生への質問紙によるアンケート調査を実施し、学生の意見を抽出した。授業に参加した学生の意見より、授業の満足感を示す意見と共に、資料の改善等を求めるなど意見を抽出することができた。これらの結果については、2021年11月27(土)に開催された第21回人間福祉学会で口頭発表をおこなった。 また、研究代表者および研究分担者が所属している大学内で3Dプリンタ等デジタル工作技術を活用した福祉用具を作製できる拠点となるよう、現在、環境の整備を進めている。 この研究は、3年計画で2021年度が最終年となる予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、計画通り研究を進めることができず、予定が大幅に遅れしまったため、1年間の研究期間延長申請をおこない、受理されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度より全世界で感染拡大している新型コロナウイルスの影響が計画遅延の最大要因となっている。本研究の対象は、要介護者の支援をおこなっている介護福祉現場の職員や介護福祉士養成校の学生であり、要介護状態の方々が生活している介護福祉現場では、感染防止の観点から家族の面会も制限されている。さらに介護現場職員の感染予防のため、勤務外でも不要不急の外出を控えている状況にあるため、本研究への協力いついて消極的な意見が多く聞かれて。さらに介護福祉養成校の学生も大学への通学が制限されており、研究協力が得られにくい状況であった。 2021年度11月より研究者が所属する大学で全面通学が実現しているが、介護福祉現場では今だに面会を制限している事業所も多いため、協力が得られにくい状況が続いている。しかし、最近の社会状況は感染症に配慮しながら社会を動かす傾向にあるため、介護現場の状況を鑑み、状況に応じて計画を見直しつつも継続的に研究を実施し、研究目標が達成できるようにしていくことが必要と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に、介護福祉士養成校を対象とした3Dプリンタ等のデジタル工作技術を活用した福祉用具作製の基礎教育プログラムを実施し、そこで得られたデータを同年11月の人間福祉学会で発表し、多くの知見を得ている。これらのデータをまとめた論文を2022年度に発表する予定である。また、実践をおこなった介護福祉士養成校での基礎教育プログラムは2022年度以降も実施し、継続的にデータを収集することで効果的な教育プログラムを確立を目指していく。 介護現場職員を対象としたワークショップの定期的な開催を実現するため、職能団体である介護福祉士会と連携を図る予定である。これにより、広範的に現場職員と連携を図ることができ、多くのデータ収集が期待できる。 2022年度は、当初の研究計画期間である3年を1年間延長した年となるため、新型コロナウイルス感染の状況を確認しながらも、積極的に職能団体や介護福祉現場と連絡を図り、研究の最終目標である「デジタル工作技術を介護の質向上に活かす高度介護人材育成プラットフォーム」構築に取り組んでいく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、計画的に研究活動が実施できない状況にあることが理由となる。研究対象となる介護福祉現場は要介護者と関わる環境にあるため、感染症に対して慎重に対応しているため、館内への出入についても制限している状況が続いており、研究協力を得ることが困難な状況にあることが理由となる。 2022年度は当初予定されていた研究期間を延長した期間となるため、これまで研究計画が遅れたことに伴う研究環境の整備不足を整えていく予定である。 研究環境の整備として、2021年度より実施した介護福祉士養成校の学生を対象とした基礎教育プログラムを継続的に実施していくことができるよう、デジタル工作機器の整備を進めていく。また、介護現場職員を対象としたワークショップ実施から得られる多量のデータを分析するため、データ分析ソフトを準備し、詳細な分析処理を実施していく。これらの研究活動によって、研究の最終目標となる「高度介護人材育成プラットフォーム」を構築するため、WEB上で管理できるよう環境整備を進めていく。
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