研究課題/領域番号 |
19K02212
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
矢嶋 里絵 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (40254130)
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研究分担者 |
木下 秀雄 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (50161534)
金川 めぐみ 和歌山大学, 経済学部, 教授 (70335496)
鈴木 静 愛媛大学, 法文学部, 教授 (80335885)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 知的障がい者 / 障がい者家族 / やまゆり園事件 / 人権 / 優生思想 |
研究実績の概要 |
1.①2021年6月5日、元津久井やまゆり園利用者家族から知的障害のある人の地域移行プロセスや事件後の神奈川県の動きと家族の思いについて、②6月12日、関係者から『障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会報告書』の意義と課題について、③同日、研究者から知的障害のある人の家族の貧困について、④7月25日、知的障害のある人の地域生活を支援するNPO法人から地域生活支援の現状と課題について、⑤11月2日、元神奈川県職員から県立施設の役割について、⑥11月30日、元知的障害者施設職員から津久井やまゆり園でのケアの実態について、⑦2022年1月18日、知的障害のある人の家族から生命倫理とやまゆり園事件について聞き取りを行った。
2.一連の聞き取り調査から、事件後に地域生活をはじめた元津久井やまゆり園利用者がどのように地域での自立生活を実現し、地域生活をおくる上で直面する課題にいかに対応しているのかについて、家族・支援者の双方から聞くことができた。また、「障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会」における議論を通じて、今後の神奈川県障害者施策の方向性を把握し、検討することができた。また、事件発生から5年を経ていまだに不明であった津久井やまゆり園でのケアの実態と加害者である植松死刑囚の職員としての働き方の一端を知ることができた。さらに、家族に依存しないくらしの場とケアの保障が必要であり、施設機能の改善を視野に入れたわが国障害者施策の見直しが求められていることがわかった。
3.以上の研究成果については、日本社会福祉学会第69回秋季大会、第95回大阪障害者センター研究会・第96回同研究会等で報告を行った。また、茨城県社会保障推進協議会で講演を行う等、社会に向けて発信した。さらに、各研究分担者・協力者が図書や論文等を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ収束の目途が立たず、当初予定していた海外調査研究が実施できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染状況を踏まえ、可能であれば海外調査研究を行うとともに、これまでの研究のとりまとめを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査研究が実施できなかったため。
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