研究課題/領域番号 |
19K02225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
野口 友紀子 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20387418)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 社会福祉史 / 社会事業 / 婦人慈善会 / 厚生事業 / 都市社会事業 / 社会保障制度審議会 / 慈善 / 『社会事業』 |
研究成果の概要 |
戦前、戦中、戦後の社会福祉の従来の研究とは異なる知見を提示できた。1880年代の富裕層の女性の慈善活動が先行研究では否定的に扱われていたことを見直した。戦中は、戦時下の厚生事業を社会事業の変容と捉える先行研究に対し、当時の雑誌記事を分析し、社会事業の具体的な当時の人びとの認識を明らかにした。戦後は、1つには社会福祉の研究が占領期の福祉政策を論じることが多いのに対して、雑誌分析を通して当時の福祉事業に関わる人びとの意見を拾い上げ都市社会事業が戦後に目指したものを明らかにした。2つには社会保障制度審議会の勧告等の分析から60年代のグランドデザインを明らかにし、社会保障と社会福祉の関係を検討した。
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自由記述の分野 |
社会福祉学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会福祉の歴史研究には、多くの蓄積があるが、先行研究で示された分析視角を踏襲するものや、ジェンダーの視点の欠如がある。今回の研究は、先行研究で否定された内容を再検討したり、従来の研究では分析に使用しない素材で分析を行った。その結果、女性の慈善活動の再評価ができた。また、雑誌分析を通して、当時の社会事業に関わる実践、行政、研究を行なった人びとの論考を整理し、戦時中の厚生事業に対する人びとの認識、さらに戦後の都市社会事業に対する人びとの認識を明らかにした。さらに、社会保障制度審議会の勧告等の分析から50年から60年代当時の審議会構成員が目指した社会保障の方向性を示すことができた。
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