研究課題/領域番号 |
19K02227
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研究機関 | 同朋大学 |
研究代表者 |
下山 久之 同朋大学, 社会福祉学部, 教授(移行) (30442221)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 認知症高齢者 / 機能性尿失禁 / 排泄自立支援プログラム / 排泄ケア・マネジメント / 介護保険施設 |
研究実績の概要 |
認知症高齢者は、認知機能の低下により自ら尿意を自覚することが難しくなり、トイレへ移動が出来なくなることがある。このような理由から起こる尿失禁を機能性尿失禁という。機能性尿失禁の利用者には、適切な支援があれば排泄の自立に導ける可能性がある。介護保険施設の認知症高齢者に対する排泄の自立支援プログラムを開発することが本研究の目的である。(本研究の主な目的)1.介護保険施設利用の認知症高齢者に対する排泄ケアの実態を明らかにする。2.介護保険施設利用の認知症高齢者に対する排泄自立支援プログラムを開発し、その効果を検証する。 この目的を明らかにするために4つの調査を実施する。調査1「排泄ケアに関する先行研究のレビュー」。国内の医学、看護学分野における排泄ケアに関する論文等のシステマティックレビューを実施する。調査2「介護保険施設利用の認知症高齢者に対する排泄ケアの実態を明らかにする」。そのために名古屋市内の特別養護老人ホーム3施設にて、詳細な聞き取り調査を実施する。そしてその聞き取り調査を踏まえた上で作成したアンケート調査を名古屋市内の特別養護老人ホーム100施設に郵送調査として実施する。調査3「介護保険施設利用の認知症高齢者に対する排泄自立支援プログラムを開発する」これを聴き取り調査に協力してくれた名古屋市内の3つの特別養護老人ホームにて実施し、その妥当性を検証し改善を図る。調査4「介護保険施設利用の認知症高齢者に対する排泄自立支援プログラムの効果を検証する。以上4つの調査を実施し、統合化し本研究の成果を論文化していく。現在、調査2の途中まで実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査1「排泄ケアに関する先行研究のレビュー」は既に実施できている。この点については順調に取り組むことができた。また調査2「介護保険施設利用の認知症高齢者に対する排泄ケアの実態を明らかにする」のうち、名古屋市内の特別養護老人ホーム3施設に対する聞き取り調査を実施することが出来た。この後、名古屋市内の特別養護老人ホーム100施設に対するアンケート調査を実施する予定であったが、現在、コロナウィルス禍にあり、現場、介護職員の負担が大きすぎるためアンケート調査の実施を延期することとした。そのため、アンケート調査からのデータ回収が出来ていない。まもなくコロナウィルス禍が落ち着き次第、アンケート調査を実施し、そこから現場の課題抽出を実施し、排泄の自立支援プログラム開発を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート調査の結果を回収し次第、介護保険施設利用の認知症高齢者に対する排泄自立支援プログラム(パイロットスタディ版)を作成し、聞き取り調査に協力頂いた名古屋市内の特別養護老人ホーム3施設にて、排泄自立支援プログラム(パイロットスタディ版)を実施し、認知症高齢者の排泄ケアの変化を記録する。利用者の生活状況の把握ならびに介護職員からの聞き取り調査を重ね、排泄自立支援プログラム(パイロットスタディ版)の妥当性を検証し、改善点を見出していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
名古屋市内の3つの特別養護老人ホームにおける聞き取り調査までは実施できたが、100の施設に対するアンケート調査は実施できていない。そのためそれに係る費用がまだ支出していない。また調査3に使用する残尿測定器を購入する予定であったが、コロナウィルス禍により施設における調査の実施が出来なかったため、購入を延期することとした。そのためそれに係る費用はまだ使用していない。
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