研究実績の概要 |
1.四天王寺大学研究倫理審査委員会へ,研究実施計画倫理審査申請書を提出し,研究全体像及び質的調査の承認を得た. 2.「自己決定支援研究会」の開催:2019年8月,9月,11月,2020年1月,3月の合計5回開催した.第1回目からテーマを決めて,研究メンバーが文献研究と各自の実践報告を行った.「認知症のある人たちの意思決定支援」,「精神障がいのある人たちの生きづらさと支援」,「知的障がい者の地域移行に伴う意思決定支援」、「イギリスの意思決定支援の現状と課題」,「大阪社会福祉士会の意思決定支援システムの現状と課題」のテーマで検討した. 3.論文執筆及び学会発表(詳細は次項参照). 4.成年後見活動に10年以上携わっている専門職(社会福祉士,弁護士,精神科医)を対象にプレインタビューを実施し,データをテキスト化,分析,調査対象者へ分析結果を確認していただき,必要に応じて修正した.その結果をもとに,インタビューガイドを修正した. 5.成年後見活動をしている専門職(社会福祉士,弁護士,司法書士)を対象に,修正版インタビューガイドにもとづき,インタビュー調査を実施した.COVID-19の影響で次年度も引き続き実施予定である。 6.「自己決定支援研究会」のメンバーは,大阪市社会福祉研究奨励賞受賞論文報告会(「大阪市成年後見活動」に関連する論文の報告)に参加し,意思決定支援について学習した.その後,市民後見活動と法人後見活動の異同について議論した.最後に、7.これまでの研究成果を学会発表及び論文として発表した.パワレス状況にあるクライエントの意思決定を支援する研究は、ヒューマンサービスを担う専門職に示唆を与え、最終的には、クライエントのQOLを高めることに連動する意義のある研究であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響で,承諾をもらっている質的研究対象者のインタビューが実施できない状況が継続している.2019年~2020年において,成年後見活動をしている社会福祉士,弁護士,司法書士の3職種,合計25名を個別でインタビュー調査する予定であった。25名全員の承諾は得ているが,実施できな対象者が約15名いる.
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今後の研究の推進方策 |
1.「自己決定支援研究会」の開催(2ヶ月に1回).COVID-19の影響が継続されているため、研究会をWebに切り替えて開催する. 2.成年後見活動をしている後見人を対象に,修正版インタビューガイドにもとづき、インタビューを継続して実施する. 3.得られたデータをテキスト化,分析し,調査対象者へ分析結果を確認していただき,必要に応じて修正する.データ分析に関して質的研究方法の専門家のエキスパートレビューを受ける. 4.質的研究によって得られた結果に基づき,量的調査の質問項目の作成する.量的研究方法の専門家のエキスパートレビューを受ける. 5.再度、四天王寺大学研究倫理審査委員会へ,量的調査の研究実施計画倫理審査申請書を提出し,承認を得る. 6.後見活動をしている・していた専門職を対象に、郵送法による横断的量的調査の準備をし,予備調査を実施する. 7.研究発表(論文執筆、学会にて研究発表).
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