研究課題/領域番号 |
19K02230
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
笠原 幸子 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (50342192)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 虚弱高齢者 / 意思決定 / 介護福祉士の実践 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、意思決定支援活動の実態を明らかにし、成年後見人の役割やその専門性の明らかにすることであったが、2020年度の研究の成果については、コロナウィルスの感染拡大が継続し、研究計画通りに進まなかった。 オンライン会議は、6月、8月、10月に開催されただけであった。研究協力者たちとコミュニケーションはオンラインでの会議だけであったので、意思疎通に限界があり、研究の進行に重要な決定ができなかった。従って、2020年度の計画に示した質的研究によって得られた結果に基づき、量的調査の質問項目を検討することが困難であった。一方、支援現場では、これまでの支援を中断することはできず、支援者と被支援者の対面が困難な状況下においても、精度の低下しない支援について検討できる機会と捉え、対面での交流は難しいが、研究協力者とともに対面できない状況における支援のあり方も含めて、議論することができた。 最終的な2020年度の研究実績としては、2019年度に得られたデータを分析し、一般財団法人厚生労働協会「厚生の指標」第68巻第1号に論文:「虚弱高齢者の自己決定を尊重した介護福祉士の実践構造と関連要因」を発表しただけに終わった。 社会環境がどのように変化しても、パワレス状況にあるクライエントの意思決定の支援は中断することはなかった。それに連動して、クライエントの意思決定の支援の研究は、ヒューマンサービスを担う専門職に示唆を与え、最終的には、クライエントのQOLを高めることに連動する意義のある研究であることが再認識できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年に得られたデータでの論文執筆はできたが、2020年度に予定されていたデータ収集およびプロジェクトチームによる対面方式での会議ができなかった。 研究代表者は研究機関の所属であるが、研究協力者は、すべてNPO法人権利擁護たかつきでの法人後見活動に携わっている人たちである。日常的に意思決定が困難な人たちと接しているが、コロナ禍において、これまでのような活発な支援活動ができなかった。よって、新たなデータを得ることが非常に困難であった。 また、研究協力者たちとコミュニケーションはオンラインでの会議だけであったので、意思疎通に限界があり、研究の進行に重要な決定ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の推進については、コロナのワクチン接種の進行とともに、対面でのデータ収集及びプロジェクトチームの会議が可能となる。本研究は、2022年度までの計画であったが、2023年度まで延長することも検討しなければならないと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はコロナウィルス感染拡大のため、予定した研究ができなかった。2021年度も緊急事態宣言が発令され、研究活動が極めて制約されているが、可能な限りオンラインを活用し2020年度に得られたデータの分析及び量的調査の準備をしたいと考えている。
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