研究課題/領域番号 |
19K02237
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研究機関 | 新潟県立看護大学 |
研究代表者 |
渡辺 弘之 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (10300097)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ベトナム / ハンセン病 / 子ども / QOL / Vulnerability |
研究実績の概要 |
2022年時点でベトナムにおけるコロナウィルスの流行が沈静化していなかったため現地調査は断念し、これまで収集したデータの再分析に着手した。その結果、これまで明らかになっていなかった要因が発見された。対象となったハンセン病元患者の子ども群を中央値で分割すると「QOLの良好なグループ」と「QOLが良好でないグループ」が存在していることが分かった。「QOLが良好でないグループ」について、潜在因子「Vulnerability」を仮定して因子分析を行ったところ、潜在因子「Vulnerability」は身体的健康と家族関係に有意な影響を与えていた。元ハンセン病患者の子どもたちの場合、健康状態や友だち関係に関連する問題が存在し、それらの問題は固有のVulnerabilityに起因することが明らかとなった。この点を踏まえ、ハンセン病元患者の子どもたちの場合固有の「Vulnerability」(脆弱性、傷つきやすさ)を抱えていると考えられ、またVulnerabilityには身体的健康面などに現れる顕在的なVulnerabilityと、精神的健康面や人間関係に影響を及ぼしうる潜在的Vulnerabilityの存在が仮定される。社会的マイノリティ集団に属する子どもたちの場合、こうしたVulnerabilityの存在を踏まえたQOL測定が必要になると考えられる。 この結果については第37回日本国際保健医療学会学術大会において「ハンセン病元患者の子どもたちが抱える潜在的な脆弱性について」として発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ベトナムにおけるコロナウィルスの流行により、現地調査が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度(2023)はベトナムでの現地調査を実施する予定であり、もし何らかの事情で現地調査が実施できない場合はオンライン調査の実施も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年中に国内外のコロナウィルスの流行があり、外国への入国時や帰国時に検疫コントロールが存在していたため、現地での調査を一時中断していたため。
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