本研究は「親が特定の病気を抱えている場合、子どもにどのような影響を与えるのか」という点についての解明を目指した。この研究では、ハンセン病という社会的偏見を伴いやすい疾病を扱っているが、元ハンセン病患者の親を持つ子どもたちの場合、一般群の子どもたちと比較して、成長するにつれてQOLが低くなる傾向がみられた。しかし、元患者の子どもたち(高校生)の場合、精神的外傷後成長(PTG)に相当する事例もみられ、学業面で秀でた結果を残している子どもの存在が明らかとなった。偏見を持たれやすい疾病を抱えた家族の子どもの場合、健康上および社会生活上のサポートの必要性がこの研究から導き出された。
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