| 研究課題/領域番号 |
19K02238
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| 研究機関 | 愛知県立大学 |
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研究代表者 |
宇都宮 みのり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (80367573)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 精神病者監護法 / 精神病院法 |
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| 研究実績の概要 |
2020年度は、1918年～1929年代を中心に近代日本精神病者社会事業における保護機能と取締機能という「両価性」がどのように展開されたかを当時の新聞記事と病院実践の視点から分析し、その成果を国際・国内学会で報告する予定であった。しかし新型コロナウィルス感染症感染予防のため、史料収集・調査に出ることができず、また関連学会は中止となったため予定通りに進めることができなかった。そこで今年度は、過去に収集した資料の再整理とオンラインで開催される研究会での情報共有を中心に、以下のように研究を進めた。
１．史資料の再整理は以下の3点を実施：①2017年に収集した中宮病院（精神病院法（1919）による最初の公立精神病院）の関連資料を再整理した。また同病院で精神病者の「院外保護」に取り組んだ長山泰政関連の資料の再整理を通して、公立精神病院の役割について考察を深めた。論文執筆中である。②2018年度に収集した長島愛生園ハンセン病療養所における精神病者に関連する資料を再整理し、ハンセン病療養所の中の精神病の処遇の方法上の問題を抽出した。問題点の指摘をするには史資料が圧倒的に不足しているため、新型コロナウィルス感染症の終息後、長島愛生園で追加資料の収集が必要であることが分かった。③2019年度に収集した東京都公文書館に保管されている精神病者関連資料（1877-1888年）を時系列に整理し、その解読を進めた。
２．研究会（オンライン開催）への参加及び研究報告：①精神保健福祉歴史研究会：22回開催・10回報告、②愛知社会福祉史研究会：6回開催・1回報告、③日韓社会福祉史研究会：3回開催・1回報告、④社会福祉実践理論研究会：1回開催・1回報告
３．資料収集とアーカイブの作成：雑誌『社会事業』（1926.2～1936.1発行）に掲載された精神病関連記事を網羅的に収集した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①新型コロナ感染症予防のため、史料収集・調査に出かけることができなくなり、資料収集はもっぱら図書館蔵書あるいはオンライン公開文書を利用するしかなかった。
②関連する国際学会および国内学会は、中止もしくは規模を大幅に縮小してのオンライン開催となり、報告の機会を逸した。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き、資料収集・整理・分析を進める。新型コロナウィルス感染症が終息するまでは、手元の資料をもとに研究を進める。
2021.7まで・・・中宮病院における「院外保護」の特徴について論文を執筆
2021.10まで・・・衛生史に関する研究史研究を進め、論文を執筆
2021.12まで・・・精神病者監護法にみられる精神病者の認識に関する著作を執筆
2022.3まで・・・精神病者社会事業史関連の資料アーカイブ作成・解題を執筆
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は予期せぬ新型コロナウィルス感染症拡大にともない、参加を予定していた国際学会がオンライン開催に変更になったため、旅費として計上していた予算に余剰が生じた。
2021年度も新型コロナウィルス感染症の終息は見込めそうにない。そのため研究計画の一部を変更し、今年度余剰分と次年度分の助成金を、精神病者社会事業史に関連する文献の購入、史資料収集と整理、研究成果の報告に充てる予定である。
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