研究課題/領域番号 |
19K02252
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
西川 ハンナ 創価大学, 文学部, 准教授 (50442059)
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研究分担者 |
森 恭子 文教大学, 人間科学部, 教授 (10331547)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 地域再生 / コミュニティインパクト / 社会資源と関係の組み替え / 協調的交渉 / ネゴシエーション / ファシリテーション / コンフリクト・レゾリューション / 対話 |
研究実績の概要 |
研究の2年目は初年度の文献調査を経て、異なる歴史・文化的背景を持つ難民移民との新たな共生を図る先進国オーストラリアで調査を実施する予定であったが、COVID-19の世界的な感染により研究計画の変更を余儀なくされた。しかし、海外調査と、もう一つの柱である国内研究対象地域の研究活動を充実させて実施することができた。特に地域再生に向けた既存の社会資源や人と人との関係性の組み替えに注目し、今ある課題に対してコンフリクト・レゾリューション、ネゴシエーションといったスキルがソーシャルワークの中で重要なスキルであるとして、文献調査をおこなった。大きく分けて本年度は3つの実績をあげた。 ①国内対象地域におけるスタディツアーのコミュニティインパクトについての論文化とオンラインスタディツアーの実施②国内対象地域の商店会へのSNS等におけるサポートとソーシャルキャピタルの形成③初年次の文献調査の研究成果の論文化 ・西川ハンナ(2021)「スタディツアーにおける地域介入の理論と作用」創価大学社会学会『ソシオロジカ』第45巻第1.2号p23~p42 ・森恭子(2020)「コンフリクトを超えてー平和な国際社会の構築を目指して」岡伸一・原島博編著『世界の社会福祉』旬報社 p423~p439 ・西川ハンナ(2021)「ソーシャルワークに関連する技法1.ネゴシエーション2コンフリクト・レゾリューション.3.ファシリテーション4.プレゼンテーション5ソーシャル・マーケティング」日本ソーシャルワーク教育学校連盟編集「最新・社会福祉士養成講座 6ソーシャルワークの理論と方法 社会専門」添田正輝・所めぐみ・福富昌樹編著p252~315
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の感染によるパンデミックは国内外の調査研究に支障を与えている。その理由として①海外渡航が困難な事②密となるような集会やその企画が困難である事③ニューノーマルといわれる生活様式の変容が与える日常生活における人と人との関わりや意識変容。これら3点から研究計画立案時の状況とは全く異なる状況になったため。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の感染とその収束の状況を鑑み研究計画をフレキシブルに見直していく。 ①海外調査では、研究計画では、本年度海外調査を実施する予定であったがその可能性を翌年に残しつつ、国内での研究調査を充実させる。そこで、海外視察調査を実施する予定だったオーストラリアの移民難民支援の関係機関、プログラムの見学は、関係機関の職員、コーディネーターへのビデオ会議ツールによるヒアリングなども検討する。 ②国内対象地域への介入では、対象とした3地域(越谷市・諏訪市・八王子市)のうち、越谷市のヒアリングとその報告会は既に終了している。諏訪市における介入はオンラインにより継続している。八王子においては文化・歴史を軸にした活動とそのネットワーク形成の過程を参与観察のスタイルで追っていく予定である。国内の試験的な地域介入の成果については継続的な観察、ヒアリングを行いながら介入後のコミュニティインパクトの分析、評価方法の先行研究を深める。 ③理論化と論文化では、②を受けて、これらの実験的な地域介入の成果から地域再生に向けてのソーシャルワークにおける新しい連携の形を考察し、それらの成果報告、論文化を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
世界的なパンデミックにより渡航が困難となり、その状況が長期化したため予定していた海外調査が困難となった為。可能と判断した際は次年度の海外調査を計画、現地へのコンタクトを取り始めている。そして、最終年度の報告書作成を行う予定である。
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