研究課題/領域番号 |
19K02255
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研究機関 | 中部学院大学 |
研究代表者 |
加藤 大輔 中部学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (00647604)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 当事者参画 / 精神障害者施設 / 評価システム / クラブハウスモデル / 認証 |
研究実績の概要 |
本研究は3年計画を予定しており、1年目の2019年度は「基礎研究」と位置づけ、精神障害者施設の当事者参画型の施設評価に関する実態把握や状況確認を行うことに主眼を置いた。実施したことは、(1)精神障害者施設職員へのアンケート調査、(2)クラブハウス独自の評価システムである「認証(Accreditation)」を受審した3ヶ所のクラブハウスの情報収集および関係者からのヒアリング、(3)クラブハウス世界会議に参加し、海外のクラブハウスにおける「認証」に関する状況把握であり、具体的な内容は下記のとおりである。 (1)の精神障害者施設職員へのアンケート調査は、岐阜県内の地域活動支援センターのうち、主な支援対象を精神障害者としている11ヶ所の職員に対して、施設評価の現状等について意識調査を実施した。また、本研究はクラブハウスモデルにおける「認証」という評価システムに着目しているため、日本クラブハウス連合に加盟する4ヶ所のクラブハウス職員に対しても同様の意識調査を行った。 (2)の「認証」を受審した3ヶ所のクラブハウスの実情把握は、各クラブハウスに訪問し、職員および利用者からヒアリングを行った。また、「認証」というクラブハウス独自のシステムをまとめている「クラブハウス インターナショナル(本部は米国・ニューヨーク)」から送付されてきた認証報告書を3ヶ所のクラブハウスから提供してもらい、分析を行った。 (3)のクラブハウス世界会議への参加は、ノルウェー・オスロ(2019年9月28日から10月3日)で開催されクラブハウス世界会議に日本のクラブハウス関係者と参加し、(2)で行った3ヶ所のクラブハウスの「認証」プロセスで明らかになったこと等を分科会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目は「基礎研究」と位置づけ、(1)精神障害者施設職員へのアンケート調査、(2)クラブハウス独自の評価システムである「認証」を受審した3ヶ所のクラブハウスの情報収集および関係者からのヒアリング、(3)クラブハウス世界会議に参加し、海外のクラブハウスの「認証」に関する状況把握を行う、という3つのことを計画した。 (1)の精神障害者施設職員へのアンケート調査は、調査対象施設の選定や調査項目の設定にやや時間を要し、予定よりも実施時期が遅くなったが、2019年度内に取り組むことができた。 (2)の「認証」を受審した3ヶ所のクラブハウスからの情報収集とヒアリングは、各クラブハウスへの訪問および日本クラブハウス連合の代表者会議へ参加することができ、計画通りの取り組みができた。 (3)のクラブハウス世界会議への参加は、「認証」に関する分科会で海外のクラブハウスと発表する機会が得られ、日本の現状等を発信すると同時、海外のクラブハウスの「認証」に関する状況や情報を得ることができた。 このような進捗状況であるため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の2020年度は「展開研究」と位置付けており、以下の3つのことを行う。 (1)前年度に行った精神障害者施設職員へのアンケート調査の結果を踏まえ、岐阜県内の精神障害者を主な支援対象としている地域活動支援センターや障害福祉サービス事業所を10ヶ所ほど選定し、施設利用者(当事者)や職員から施設の評価状況等に関するヒアリング調査を実施する。 (2)認証を受審した3ヶ所のクラブハウスに対して、受審後の活動の変化や当事者やスタッフの意識変革等を把握するために継続的にヒアリング調査を行う。 (3)当事者が参画しながら施設運営や活動等を行っている精神障害者施設を視察し、国内における先駆的な実践状況を把握する。
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