研究課題/領域番号 |
19K02258
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
武田 丈 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (30330393)
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研究分担者 |
澤田 有希子 関西学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (60425098)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エンパワメント / CBPR / 参加型アクションリサーチ / LGBTQ+ / SOGI / ライフストーリー / アライ / 研修開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、LGBTQ+の若者コミュニティに焦点をあて、コミュニティと協働でCBPR(協働調査)を実践することで、CBPRが多様性尊重、特にセクシュアリティの多様性尊重のためのソーシャルワーク実践として有効であることを確立することである。LGBTQ+の若者コミュニティと協働して、こうした若者たちのニーズ調査、ライフストーリー調査、教員への知識調査の成果を元に教員に対する研修を開発し、それを教員に対して実施することによってその成果を確認するとともに、LGBTQ+の若者のロールモデルとなるライフストーリー集を作成することによる後輩たちへのエンパワメント効果を確認していく。 2020年度は、新型コロナウイルスの影響でLGBTQ+の若者を加えたコミュニティ諮問委員会を3回しか開催できなかったが、次のような活動を行った。 研修開発に関しては、他大学での取組に関する情報収集を行うとともに、関連資料をコミュニティ諮問員会で共有し、研修内容のブレーンストーミング、および今後の進め方の検討を行った。 一方、ライフストーリー調査では2019年度にインタビューした6名の多様なSOGI(Sexual Orientation and Gender Identity=性的指向と性自認)の卒業生たちの大学生時代の体験、就職活動、現在の職場での体験といった、主に大学入学以降のそれぞれのライフステージでの体験をライフストーリー集として冊子およびWeb上で公開を行った。予定していた現役生のライフストーリー調査は、新型コロナウイルス蔓延のため実施できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ライフストーリー調査に関しては、卒業生を対象にしたものは新型コロナウイルス感染拡大前にインタビューが終了していたため、分析や編集作業、また公開に向けた作業は順調に進めることができた。しかし、2020年度に予定していた現役生を対象としたライフストーリー調査のインタビューは実施することができなかった。 また、研修開発に関してはコミュニティ諮問委員会の開催も2020年度の前半はできず、また研修開発のために2020年度に実施を予定していた学生を対象にしたフォーカスグループインタビューも実施できず、このフォーカスグループインタビューの内容を元にした研修開発のためのWEB調査用の質問票作成も行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ライフストーリー調査に関しては、最新のキャンパスでのサバイバルの方法を明らかにするために現役大学生に対するインタビュー調査を行う予定であるが、新型コロナウイルス感染再拡大に伴い、さらに延期する可能性もある。教職員および学生に対するアライ養成のための研修開発に関しては、LGBTQ+の現役大学生を対象にオンラインでフォーカスグループインタビューを実施して、その結果を元にWeb調査ための質問票を作成し調査を行った上で、研修開発を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの蔓延に伴い現役生を対象としたライフストーリー調査、および研修開発のためのフォーカスグループインタビューが実施できなかったため、それらを実施するための費用が未使用となった。研修開発のプロジェクトは次年度に実施する予定であり、ライフストーリー調査に関しても新型コロナウイルスの状況に応じて次年度または再来年度に実施することを検討している。
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