• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

OECD社会支出データベースの分析による福祉財政の長期的変動に関する国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K02259
研究機関西九州大学

研究代表者

坂田 周一  西九州大学, 健康福祉学部, 教授 (20133473)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード社会支出 / 福祉財政 / 新型コロナウイルス / パンデミック / COVID 19
研究実績の概要

OECD諸国の公的社会支出の変化に及ぼした新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響について検討した。
OECD全体平均でみると、社会支出のGDP比は2009年度から2019年度までは年平均19%ないし20%の水準で安定的に推移していたが、パンデミック期に入った2020年度には23%、2021年度22%、2022年度21%へと例年にない変化をみせた。最も大きな変化は2019年度から20年にかけてのものであり、この時期における公的社会支出は、保健医療の対GDP比が8.8%から9.7%へ、失業手当が0.7%から1.5%へ上昇するなど、保健医療、失業関連、積極的労働政策面での上昇に起因したものであった。一方、OECD加盟国のほとんどにおいてインフレ率が高まり、急激な物価上昇に苦しむ低所得層への支援の必要性が高まり、現金給付による社会的保護政策への取り組みが広く実施された。
加盟国別に2019年から2020年にかけてのGDP比の上昇幅をみると、変化の大きい順にチリが8%ポイント、スペインが6.5%ポイント、カナダが6.2%ポイント、米国が5.7%ポイントとなっている。一方、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンでは1%ポイント程度低下しており、国ごとのバラつきが大きかった。失業対策の増加が際立ったのはオーストリアであり、2019年のGDP比1.3%から2020年の3.2%へと高まった。また、カナダ、オランダ、ニュージーランドおよび米国でも労働政策の高まりが見られた。一方、チリでは緊急家族所得支援プログラムによる上昇が目立っており、他の国とは異なる傾向が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は2019年度から開始したものであるが、同年の末ごろから新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延し、以後数年間継続した。そのことによって国内や海外への移動・渡航の制限、禁止等が続き、当初予定した資料収集が遅れたことが遅延の主要因である。

今後の研究の推進方策

今後は、引き続き収集したデータの分析を行い、これまでの研究成果と合わせて、全体として研究のまとめを行うこととしている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症により研究進捗の遅れが生じ次年度使用額が生ずることとなった。
使用計画は下記のとおりとする。 (1) 物品費、図書費(3万円)、情報処理関連機器(9万円)、ドキュメントスキャナー(5万円)。(3) 学会会費、イギリス社会政策学会(1万5000円)、アメリカ社会学会(1万5000円)、日本社会福祉学会(1万円)。(4) その他経費、報告書印刷費(4万1,460円)。以上合計25万1,460円。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi